フリーエージェントの資格を得ていないNPB(日本プロ野球)の選手がMLB(メジャーリーグ)に移籍するためにはポスティングを経る必要があります。
ポスティングされた選手は獲得の意志を示したMLBの球団と交渉し、その中から最終的に契約先を選ぶことになります。
ポスティングはフリーエージェントと異なり、元の所属球団にも金銭的な面で恩恵があります。
それがポスティングによる譲渡金です。
ポスティングされた選手が結んだ契約の規模に応じて、ポスティングした球団が譲渡金を手にすることができます。
逆にMLBの球団からすると選手との契約金以外にも追加で譲渡金の支払いがあるため、出費がかさむことになります。
その主なルールは以下の通りとなっています。
- 契約したMLBの球団はNPBの元の所属球団に契約に応じた譲渡金を支払い、日本の球団は契約内容を破棄できない。
- 契約総額2500万ドル以下の部分は契約総額の20%
- 契約総額2500万ドル超かつ5000万ドル以下の部分の17.5%
- 契約総額5000万ドルを超えた部分の15%
- 契約期間内に選手が獲得した出来高の15%が毎年で支払われる
- マイナー契約の場合は契約金の25%
仮にある選手がポスティングを経て1億6000万ドルの契約を手にしたとします。その場合にNPBの元所属球団が手にする金額は以下のように計算されます。
- 2500万ドル X 20% = 500万ドル
- 2500万ドル X 17.5% = 437万5000ドル
- 1億1000万ドル X 15% = 1650万ドル
- 譲渡金の支払い総額:500万ドル + 437万5000ドル + 1650万ドル = 2587万5000ドル
1ドル150円のレートで計算すると1億6000万ドル(約240億円)の契約により、2587万5000ドル(約38億円)を契約したMLBの球団は支払い、日本の元所属球団は受け取ることになります。
さらに12年3億2500万ドルの契約を結んだ山本由伸を例に計算していきます。
- 2500万ドル X 20% = 500万ドル
- 2500万ドル X 17.5% = 437万5000ドル
- 2億7500万ドル X 15% = 4125万ドル
- 譲渡金の支払い総額:500万ドル + 437万5000ドル + 4125万ドル = 5062万5000ドル
オリックスバッファローズは5062万5000ドル(約76億円)を受け取り、ドジャースはこれを支払うことになります。
ドジャースは実際には山本由伸の獲得のために、契約金+譲渡金の合計3億7562万ドルを支出することになります。これに出来高がつけば、さらに金額は膨れ上がります。
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