優先出場資格・出場権(シード権)とは?
アメリカのLPGAツアーの出場資格は数多くありますが、大きく2つに分けることができます。
メジャーを除く、ほぼすべての試合に出場することが可能となるフルシードと、シーズン途中の獲得ポイント数によって出場の優先順位が変動するリシャッフルに分かれます。
また、出場資格は成績(ポイントランキング、生涯獲得賞金、メジャー優勝、トーナメント優勝)によるものと、予選会(Qスクール)によるものとに分けることもできます。
成績によって得られる出場資格はカテゴリーが上位のものであればフルシードとなりますが、下位のものはリシャッフルの対象となります。
予選会を経て得られた出場資格は、フルシードではなく、リシャッフルの対象となる出場資格となるため、シーズンでの成績が優先順位に反映されていくことになります。
ただ、常に変動するのではなく、2回の節目があり、そのトーナメント終了後の獲得ポイント数によって変動することになります。
LPGA出場資格のカテゴリー
LPGAプライオリティ・ランキングのカテゴリーは以下のとおりとなっています。
カテゴリーの1から12まではフルシードとなりますが、カテゴリー13から20はリシャッフルの対象となります。
カテゴリー1:前シーズンのポイントランキングのトップ80
前シーズン終了時のポイントランキングでトップ80(同順位含む)に入ったLPGAメンバーが対象となります。
このカテゴリー内での優先順位はポイントランキングの上位選手が優先されます。
同順位の選手がいる場合は、前シーズン終了時の賞金リストの順位で、出場の優先順位が決定されます。
カテゴリー2:前シーズン終了時の生涯獲得賞金ランキングのトップ20
前シーズン終了時点の生涯獲得賞金ランキングのトップ20に入っているLPGAメンバーが対象となります。
このカテゴリー内の選手間では、生涯獲得賞金ランキング上位の選手が優先されます。
このカテゴリーに含まれるためには、以下のルールに従う必要があります。
(a) 前年の指定された期日(2024年は2023年11月15日)までにLPGAに「生涯獲得賞金リストのトップ20」カテゴリーへの登録希望を通知する。
(b)「生涯獲得賞金リストのトップ20」のカテゴリーに登録することを選択した場合、そのシーズンに限り、このカテゴリーに入ることができる。
(c) 該当するメンバーは、このカテゴリーの出場資格を、キャリアの中で2度利用することができる。
(d) 「生涯獲得賞金リストのトップ20」または「生涯獲得賞金リストのトップ40」ののいずれか一方のカテゴリーにしか入ることができない。
カテゴリー3:メジャートーナメント優勝
過去5シーズンまたは現在のシーズン中にLPGAメジャートーナメントで優勝したメンバーが対象となります。
このカテゴリー内での優先順位は、過去5シーズンと現在シーズン中の合計優勝回数に基づきます。
優勝回数が同数の場合は、前シーズン終了時点での「生涯獲得賞金リストのトップ20」の順位で決定されます。
また、2021年のCOVID-19によるレギュレーション補則に従い、(1) 最も直近のメジャー優勝が2018年の場合は2024シーズンまで、(2) 最も直近のメジャー優勝が2019年の場合は2025シーズンまでこのカテゴリーに該当します。
カテゴリー4:過去2シーズン及び現シーズンの公式戦優勝
過去2シーズンまたは現在のシーズン中に公式トーナメントで優勝したメンバーが対象となります。
このカテゴリー内での優先順位は、過去2シーズンの公式トーナメントの勝利数に基づいて決定されます。勝利数が同数の場合は、前シーズン終了時点の生涯獲得賞金リストの順位で決定されます。
カテゴリー5:過去3シーズンでの複数回の優勝
過去3シーズンのいずれかのシーズン中に、メンバーとして少なくとも2回の公式トーナメントで優勝したメンバーが対象となります。
このカテゴリー内での優先順位は、過去3シーズン中の勝利数に基づいて決定されます。
勝利数が同数の場合は、前シーズン終了時点の生涯獲得賞金リストの順位で上位の選手が優先されます。
カテゴリー6:同一シーズンでの3回の優勝
過去4シーズンのいずれかのシーズン中に、同一シーズンで3回以上の公式トーナメントで優勝したメンバーが対象となります。
このカテゴリー内での優先順位は、過去4シーズン中の勝利数に基づきます。
勝利数が同数の場合は、前シーズン終了時点の生涯獲得賞金リストの順位で決定されます。
2021年のCOVID-19によるレギュレーション補則に基づき、2019年が最も最近の3回の優勝シーズンであるメンバーは、2024年シーズンまでこのカテゴリーに該当します。
カテゴリー7:ノンメンバーの優勝
前シーズンまたは現在のシーズン中に、ノンメンバーとして少なくとも1回の公式トーナメントで優勝したプレーヤーが対象となります。
このカテゴリー内での優先順位は、優勝の日付が早い選手がより上位となります。
プレーヤーは、このカテゴリーに登録されるためには、LPGAのメンバーシップを受け入れる必要があります。
2024年から、ノンメンバーが公式トーナメントで優勝した場合、そのシーズンの残りとその後の2シーズンにわたってこのカテゴリーに該当します。
2021年以降にメジャーチャンピオンシップで優勝したノンメンバーは、そのシーズンの残りとその後の5シーズンにわたってこのカテゴリーに該当します。
カテゴリー8:今シーズンのポイントランキングのトップ80
最初のリシャッフルトーナメント後の今シーズンのポイントランキングのトップ80に入ったメンバーがこのカテゴリーに入ります。
このカテゴリー内での優先順位はポイントランキングの上位の選手が優先されます。
同順位の場合は、各リシャッフルトーナメントの出場締め切り時点の、今シーズンの優先リストの順位で上位の選手が優先されます。
カテゴリー9:エプソンツアー の前シーズンのトップ10
エプソンツアーは全米女子プロゴルフ協会(LPGA)が運営するLPGAツアーの下部ツアーです。
エプソンツアーの前シーズンの最終賞金ランキングのトップ10(同点を含む)の選手に出場資格が与えられます。
このカテゴリー内での優先順位は賞金ランキングの順位に基づきます。
同順位の場合は、前シーズン終了時の平均スコアのランキングで上位の選手が優先されます。
それでも同点の場合は、前シーズンのエプソントーナメントおよびプレーヤー規則により優先順位を決定します。
カテゴリー10:ノンメンバーのートップ40
前シーズンの最後の公式トーナメント終了時点で、正式メンバーではないプロ選手が予選カットのある公式戦で獲得したポイント総数が、ポイントランキングの40位以内に相当するポイントに達していた場合に、出場資格を獲得することができます。
プレーヤーはLPGAメンバーシップの資格を持った状況で、正式メンバーになる選択をする必要があります
このカテゴリー内では、トーナメントで獲得したポイント総数の多い選手から優先されます。
ポイント数が同じ場合は、このカテゴリーに入るために必要なポイント数を最初に獲得したタイミングが早い選手が優先されます。
カテゴリー11:前シーズンのポイントランキングの81位 – 100位
前シーズン終了時のポイントランキングで81位から100位(同点を含む)に入ったメンバーが対象となります。
ランキング上位の選手から順に優先して出場することができます。
同順位の場合は、前シーズン終了時の賞金ランキングで上位の選手が優先されます。
カテゴリー12:前シーズン終了時の生涯獲得賞金ランキングのトップ40
前シーズン終了時点で生涯獲得賞金ランキングのトップ40に入るメンバーが対象となります。
ランキング上位の選手から順に優先して出場することができます。
このカテゴリーに含まれるためには、以下の条件を満たす必要があります。
(a) 前年の指定された期日(2024年は2023年11月15日)までにLPGAに「生涯獲得賞金リストのトップ40」カテゴリーへの登録希望を通知する。
(b)「生涯獲得賞金リストのトップ40」のカテゴリーに登録することを選択した場合、そのシーズンに限り、このカテゴリーに入ることができる。
(c) 該当するメンバーは、このカテゴリーの出場資格を、キャリアの中で1度だけ利用することができる。
(d) 「生涯獲得賞金リストのトップ20」または「生涯獲得賞金リストのトップ40」ののいずれか一方のカテゴリーにしか入ることができない。
カテゴリー13:今シーズンのリシャッフル対象選手
リシャッフルトーナメント後のポイント総数に基づいて入れ替えが行われます。
1回目のリシャッフルトーナメントが終了した時点で、ポイントを獲得することができた「カテゴリー14から20」のメンバーは、この「カテゴリー13」にシードされることになります。
「カテゴリー13」にシードされたメンバーは、リシャッフルトーナメントまでに獲得した今シーズンのポイントによるランキングに基づいて優先順位が決定されます。
メンバーは次のリシャッフルまでこのカテゴリーに留まります。
2回目のリシャッフルトーナメント終了時点で、ポイントを獲得した「カテゴリー13」および「カテゴリー14から20」のメンバーは、「カテゴリー13」にシードされます。
「カテゴリー13」にシードされたメンバーは、2回目のリシャッフルトーナメント終了時点で、獲得した今シーズンのポイントによるランキングに基づいて優先順位を決定します。
2回目のリシャッフル後は、メンバーはシーズン終了まで、このカテゴリーに留まることになります。
1回目と2回目のリシャッフルにおいて、同点の選手間では、各リシャッフルトーナメントのエントリー締め切り時点の今シーズンの優先リストのランクで、上位の選手が優先されます。
カテゴリー14:前年のQスクールのトップ20
前年のLPGAツアーの Qシリーズで1位から20位(同点を含む)に入ったプレーヤーが対象となります。
Qシリーズでのランキング上位の選手から順に優先して出場することができます。
同順位選手間の優先順位は、以下のように決定されます。
- 最終ラウンドのスコアが低い順
- 5ラウンド目のスコアが低い順
- 4ラウンド目のスコアが低い順。
- 上記❶~❸)を経ても同点の場合は、最終ラウンドの18番ホールから逆順にスコアカードを照合して決定。
カテゴリー15:前年のQスクール の21位 – 45位
前年のLPGAツアーのQシリーズで21位から45位(同点を含む)に入ったプレーヤーが対象となります。
ランキング上位の選手から順に優先して出場することができます。
同順位選手間の優先順位は以下のように決定されます。
- 最終ラウンドのスコアが低い順
- 5ラウンド目のスコアが低い順
- 4ラウンド目のスコアが低い順。
- 上記❶~❸)を経ても同点の場合は、最終ラウンドの18番ホールから逆順にスコアカードを照合して決定。
カテゴリー16:前シーズンのポイントランキング 101位 – 125位
前シーズン終了時のポイントランキングで101位から125位(同点を含む)に入ったメンバーが対象となります。
優先順位はリストの順序に基づきます。同点の場合は、前シーズン終了時の賞金ランキングで上位の選手が優先されます。
カテゴリー17:直近21シーズンのトーナメントで優勝した正式メンバー
直近21シーズンで正式メンバーとして公式トーナメントで優勝した選手が対象となります。
優先順位は勝利数によって決定されます。
勝利数が同数の選手間では、前シーズン終了時の生涯獲得賞金ランキングで上位の選手が優先されます。
カテゴリー18:直近の21シーズンより前のトーナメントで優勝した正式メンバー
直近21シーズンより前に正式メンバーとして公式トーナメントで優勝した選手が対象となります。
勝利数が多い選手が優先されます。優勝回数が同数の場合は、前シーズン終了時の生涯獲得賞金ランキングで上位の選手が優先されます。
カテゴリー19:ポイントランキングの126位-150位
前シーズン終了時のポイントランキングで126位から150位(同点を含む)に入ったメンバーが対象となります。
ランキング上位の選手から優先されます。ポイントが同点で同じ順位となる場合は、前シーズン終了時の賞金ランキングで上位の選手が優先されます。
カテゴリー20:クラスAメンバー
クラスAメンバー の出場優先順位は、前シーズン終了時の生涯獲得賞金ランキングの順位に基づきます。
LPGAツアーのクラスAメンバーになるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 教育プログラムの完了: LPGAプロフェッショナルズのレベルIおよびIIの教育プログラムを完了する必要があります。これには、オンラインコースや対面評価が含まれます。
- プロフェッショナル経験: 一定のプロフェッショナル経験を積むことが求められます。具体的な年数や実績はLPGAの規定によります。
- テストの合格: 教育プログラムの一環として行われるテストに合格する必要があります。
- 継続的な教育: クラスAメンバーとしてのステータスを維持するためには、継続的な教育やトレーニングを受けることが求められます。
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