MLB(メジャーリーグ)全30球団の2024-25シーズンオフの戦力補強の方針をまとめています。
目次
ナ・リーグ西地区
ナショナルリーグ西部地区5球団の戦力補強の方針についてまとめています。
ロサンゼルス・ドジャース
- 主なFA選手:ウォーカー・ビューラー(右腕・先発投手)、ジャック・フラハティ(右腕・先発投手)、クレイトン・カーショウ(左腕・先発投手)、テオスカー・ヘルナンデス(外野手)、キケ・ヘルナンデス(ユーティリティ)、ブレイク・トレイネン(右腕・リリーフ投手)、ジョー・ケリー(右腕・リリーフ投手)エリアス・ディアス(捕手)、*ミゲル・ロハス(内野手)、*オースティン・バーンズ(捕手) *クラブオプション行使により残留
- 補強ポイント:捕手、左腕の先発投手、左腕のリリーフ投手
- 補強に関する方針:2024年は戦力均衡税(ぜいたく税)の対象とならない額に圧縮したため、2025年に超過しても1回目のペナルティとなるため比較的軽いものとなります。2025年は2億4100万ドルの設定ですが、それを超過するような補強をするかどうかは、まだ明らかになっていません。
故障者が続出しながらもレギュラーシーズンではMLB最高勝率となり、ポストシーズンを勝ち抜いてワールドシリーズ制覇を果たしました。選手層が厚いため、大きな補強ポイントはないのですが、より強くするために必要なポイントとして指摘されているのが先発ローテの強化です。
先発ローテーションでも、3番手以降クラスではなく、エース級の投手が望ましいとの展望があり、FA選手ではブレイク・スネル、マックス・フリード、コービン・バーンズなどが候補として考えられると予想されています。
トレード市場ではホワイトソックスのギャレット・クロシェ、マーリンズのヘスス・ルサルドなどの名前が上がっています。
先発ローテが右投手ばかりなので、左投手の名前が多く上がるのは自然な状況です。
テオスカー・ヘルナンデスと再契約しない場合には、外野手の補強にも動くと予想されています。
ショートにはオプションを行使したミゲル・ロハスとユーティリティのトミー・エドマンがいますが、補強ポイントの一つとされていて、FAのウィリー・アダメスなどと契約する場合、ロハスはトレードに出されるのではないかとの見られています。
サンディエゴ・パドレス
- 主なFA選手:ジュリクソン・プロファー(外野手)、タナー・スコット(左リリーフ投手)、カイル・ヒガシオカ(捕手)、キム・ハソン(内野手)、デビッド・ペラルタ(外野手)、ドノバン・ソラノ(内野手)、マーティン・ペレス(左投手)、エリアス・ディアス(捕手)
- 補強ポイント:捕手、左腕の先発投手、左腕のリリーフ投手
- 補強に関する方針:2024年は戦力均衡税(ぜいたく税)の対象とならない額に圧縮したため、2025年に超過しても1回目のペナルティとなるため比較的軽いものとなります。2025年は2億4100万ドルの設定ですが、それを超過するような補強をするかどうかは、まだ明らかになっていません。
アリゾナ・ダイヤモンドバックス
- 主なFA選手:クリスチャン・ウォーカー(一塁手)、ジョク・ピーダーソン(DH)、ランダル・グリチャック(外野手・DH)、ジョシュ・ベル(一塁手)、ポール・シーウォルド(右腕・リリーフ投手)、スコット・マグー(右腕・リリーフ投手)、ケビン・ニューマン(ユーティリティ)、*エウヘニオ・スアレス(内野手)、*メリル・ケリー(右腕・先発投手) *クラブオプション行使により残留
- 補強ポイント:ブルペンを基本的に強化する必要があり。故障が続出した先発ローテも厚みを加える補強が必要となっている。攻撃面ではウォーカー、ピーダーソンがそのまま流出する場合は、主軸を打てるクラスの選手がターゲットに。
- 補強に関する方針:2024年開幕時の年俸総額は1億7000万ドル規模。マイク・ヘイゼンGMは方針を明確にしていないものの、無理に抑制する必要はないことを示唆している。
サンフランシスコ・ジャイアンツ
- 主なFA選手:ブレイク・スネル(左腕・先発投手)、マイケル・コンフォルト(外野手)、マーク・カンハ(一塁手/外野手)、カート・カサリ(捕手)、*ウィルマー・フローレス *オプション行使により残留
- 補強ポイント:長くブランドン・クロフォードが守っていたショート、ブレイク・スネルが抜ける先発ローテの強化。
- 補強に関する方針:編成本部長に就任したバスター・ポージーGMは遊撃手の補強に動くことを示唆。チーム全体としては年俸総額を抑制する方向性。2024年はぜいたく税の基準となる2億3700万ドルを超過したようで、そこからの抑制という方針。
コロラド・ロッキーズ
- 主なFA選手:ジェイコブ・ストーリングス(捕手)
- 補強ポイント:打者有利のクアーズ・フィールドを本拠としていることもあり、力のある先発投手の獲得は長年のテーマで継続中。若い選手が多く、長打力があっても三振が多いなど、攻撃面での安定性が欠けるため、それを強化していく方向性。安定性のあるベテラン打者が候補に。ブルペンも若い投手ばかりのため、経験のあるリリーバーを獲得したいとGMのビル・シュミットは明言。ただし、クローザーは自前の選手を育成する方向性。
- 補強に関する方針:2024年の年俸総額は最終的に1億2400万ドル程度。GMのビル・シュミットは、さらに抑制する可能性を残すものの、オーナーの「ディック・モンフォートは投資していくつもりだ」と話す。
ナ・リーグ中地区
ナショナルリーグ中部地区5球団の戦力補強の方針についてまとめています。
ミルウォーキー・ブルワーズ
- 主なFA選手:ウィリー・アダメス(遊撃手)、ジョー・ロス(先発・リリーフ)、フランキー・モンタス(先発投手)、ウェイド・マイリー(先発投手)、コリン・レア(先発投手)、ゲイリー・サンチェス(捕手)、*フレディ・ペラルタ(先発投手)、*リース・ホスキンス(一塁手) *オプション行使により残留
- 補強ポイント:アダメスが抜けるショートと攻撃面の補強、先発ローテの補強
- 補強に関する方針:2024年シーズン終了時点の年俸総額は1億1600万ドル程度で、2025年開幕時の基準値に。2025年の確定契約はクリスチャン・イエリッチ(2600万ドル)、ブランドン・ウッドラフ(500万ドル)、ジャクソン・チョーリオ(425万ドル)、アーロン・アシュビー(345万ドル)と多くはありません。ただ、年俸調停権を持つ選手たちが多くいるため、そんなに大きな補強予算はないと考えられています。
シンシナティ・レッズ
- 主なFA選手:ニック・マルティネス(先発投手)、バック・ファーマー(リリーフ投手)、アーメッド・ロサリオ(二塁手/右翼手)、ジャスティン・ウィルソン(リリーフ投手)、ジェイク・ジュニス(先発/リリーフ)、ルーク・メイリー(捕手)、*エミリオ・パガン(リリーフ投手) *オプション行使により残留
- 補強ポイント:「攻守の両面で補強に動く」と、ニック・クラール編成本部長が明言。バック・ファーマー、ジャスティン・ウィルソンがFAとなるブルペンも補強が必要な状況。
- 補強に関する方針:昨年の冬はニック・マルティネスを始めとするFA選手に1億800万ドルも投資。市場の大きいチームではないため、再び大金を投じた補強はできない見通し。ニック・クラール編成本部長はトッププロスペクトの放出にも慎重なスタンスのため、大型トレードの成立も可能性が高くはない。
セントルイス・カージナルス
- 主なFA選手:ポール・ゴールドシュミット(一塁手)、マット・カーペンター(DH)、アンドリュー・キトリッジ(リリーフ投手)、カイル・ギブソン(先発投手)、ランス・リン(先発投手)、キーナン・ミドルトン(リリーフ投手)
- 補強ポイント:49セーブを挙げたライアン・ヘルスリーでどれだけ質の高いプロスペクトを獲得できるか。トレード拒否権をもつノーラン・アレナド、ソニー・グレイ、ウィルソン・コントレラスの3人にも注目の交渉カードに。トレード市場での注目チームの一つに。
- 補強に関する方針:主力選手を放出し、プロスペクトを獲得する再建モードへの移行が方針となっている。大型のFA契約は考えられず、ベテランとの短期契約は可能性があり。動きが活発になりそうなのがトレード。主力級はいつトレードになってもおかしくないシーズンオフに。
【MLB】2025年の有力なトレード候補は?
ワールドシリーズ終了翌日からMLBの移籍市場はオープンします。 その2024年シーズンオフから2025年にかけての有力なトレード候補について、MLBの移籍情報サイトであるML…
シカゴ・カブス
- 主なFA選手:カイル・ヘンドリックス(先発投手)、ホルヘ・ロペス(リリーフ投手)、ドリュー・スマイリー(先発投手)、*コディ・ベリンジャー(一塁手/外野手) *オプション行使により残留
- 補強ポイント:フロントライン級の先発投手、セットアップ、クローザー級のリリーフ投手が必要で、層も厚くする必要性があり。プロスペクトはいるものの経験のある捕手の獲得に動く方針。
- 補強に関する方針:7選手(コディ・ベリンジャー、イアン・ハップ、ニコ・ホーナー、今永昇太、鈴木誠也、ダンスビー・スワンソン、ジェイムソン・タイヨン)により年俸1億3850万ドルが確定。近年は戦力均衡税のライン前後に年俸総額が落ち着いているため、2億4100万ドルが目安に。年俸調停の選手を考慮しても比較的戦力補強の資金がある状態。FA市場で動く可能性の高いチームの一つ。
ピッツバーグ・パイレーツ
- 主なFA選手:アロルディス・チャップマン(リリーフ投手)、マルコ・ゴンザレス(センパ投手)、ライアン・ボルッキ(リリーフ投手)、ジャレン・ビークス(リリーフ投手)、ヤスマニ・グランダル(捕手)、アンドリュー・マカッチェン(DH)
- 補強ポイント:クローザー、セットアップ級のリリーフ投手。安定性のあるリリーフ投手の層を厚くする。攻撃力のある一塁手。ショート、外野も補強が望ましい状況。
- 補強に関する方針:市場規模が小さく、予算も制限があるため、FA選手との大型契約はできないため、層が厚めの先発投手を交渉カードにしてのトレードによる補強が中心か。
ナ・リーグ東地区
ナショナルリーグ東部地区5球団の戦力補強の方針についてまとめています。
フィラデルフィア・フィリーズ
- 主なFA選手:ジェフ・ホフマン(リリーフ投手)、カルロス・エステベス(リリーフ投手)、スペンサー・ターンブル(先発/リリーフ)
- 補強ポイント:外野手、ブルペン、先発ローテのバックエンド(4番手/5番手クラス)
- 補強に関する方針:年俸総額をさらに大きく膨らませることはない方針だと伝えられています。ファン・ソトの争奪戦に名前は上がるものの可能性は低いと見られています。FA市場で大きく動くというよりも、トレード市場での補強を模索するものと見られています。デーブ・ドンブロウスキー編成本部長は、組織内のトッププロスペクトに関するオファーにもオープンな姿勢で耳を傾けることを明言しています。
アトランタ・ブレーブス
- 主なFA選手:マックス・フリード(先発投手)、チャーリー・モートン(先発投手)、ウィット・メリフィールド(二塁手/外野手)、ジェシー・チャベス(リリーフ投手)、ジョン・ブレビア(リリーフ投手)、ルーク・ジャクソン(リリーフ投手)、A.J. ミンター(リリーフ投手)、トラビス・ダーノー(捕手)、アダム・デュバル(外野手)、ジオ・ウルシェラ(一塁手/三塁手)
- 補強ポイント:スペンサー・ストライダーがシーズン開幕に間に合わないため短期契約の先発ローテ候補。レフトを守れる外野手。
- 補強に関する方針:ホルヘ・ソレアをトレード放出して年俸(1600万ドル)を削減し、交換要員として先発投手のグリフィン・キャニングを獲得して、すでに必要な部分を埋め始めている。故障から復帰してくるストライダーとアクーニャJr.が戻ってくれば十分に優勝を狙える戦力です。予算規模の大きいチームではないため、必要に応じて短期契約のベテラン選手、トレードで補強する可能性が高くなっています。大きな動きはなさそうなシーズンオフです。
ニューヨーク・メッツ
- 主なFA選手:ピート・アロンソ(一塁手)、ショーン・マネイア(先発投手)、ルイス・セベリーノ(先発投手)、ホセ・キンタナ(先発投手)、フィル・マトン(リリーフ投手)、アダム・オッタビーノ(リリーフ投手)、ブルックス・レイリー(リリーフ投手)、ドリュー・スミス(リリーフ投手)、ライン・スタネック(リリーフ投手)、ジェシー・ウィンカー(指名打者/外野手)、ホセ・イグレシアス(内野手)、J.D.マルティネス(指名打者)、ハリソン・ベイダー(外野手)
- 補強ポイント:大量の投手がFAとなることもあり、先発、リリーフともに補強ポイント。トップクラスのFA投手の獲得に動く見込み。ピート・アロンソとの再契約。ファン・ソトの獲得。
- 補強に関する方針:2025年はマックス・シャーザーとジャスティン・バーランダーの年俸の負担がなくなることもあり、一気に1億8000万ドルが年俸総額から削減。契約で確定している年俸は6選手に対する1億2000万ドルで、年俸調停権を有する選手を考慮しても予算に余裕がある状況。ただ、どちらにしてもぜいたく税の基準額(2億4100万ドル)を念頭に置くことなく補強に動く姿勢と伝えられる。編成本部長のデビッド・スターンはトレードにも意欲的な人物。トレード、FA市場の両面で注目が集まるチーム。
ワシントン・ナショナルズ
- 主なFA選手:パトリック・コービン(先発投手)、トレバー・ウィリアムズ(先発投手)、ジェイコブ・バーンズ(リリーフ投手)、ジョーイ・ギャロ(一塁手/指名打者)、
- 補強ポイント:攻撃面の強化、特に一塁、三塁の内野の両コーナー。先発ローテの強化、ベテランのバックアップ捕手。
- 補強に関する方針:FA市場でも大金を注ぐのではなく、ノンテンダーによりFAとなった選手を獲得する補強をすると予想される。FA市場での大型補強は考えにくい状態。トレード期限前も頻繁に名前が上がったクローザーのカイル・フィネガンはトレードの有力な交渉カードに。
マイアミ・マーリンズ
- 主なFA選手:なし
- 補強ポイント:捕手、ショート、センターで経験のあるベテラン。若手育成の補助としての役割とトレード期限前の交渉カードにするため。
- 補強に関する方針:チームは再建モードのためFA市場で大きな動きは昨冬に続きない見込み。昨冬はティム・アンダーソンの1年500万ドルのみ。エドワード・カブレラ、ヘスス・ルサルドの2投手が有力なトレード候補に。動きが期待できるのはトレード市場。
ア・リーグ西地区
アメリカンリーグ西部地区5球団の戦力補強の方針についてまとめています。
ヒューストン・アストロズ
- 主なFA選手:アレックス・ブレグマン(三塁手)、ジャスティン・バーランダー(先発投手)、カルブ・ファーガソン(左投手)、ベン・ギャメル(外野手)、ケンドール・グレーブマン(先発/リリーフ)、ジェイソン・ヘイワード(外野手)、菊池雄星(先発投手)、ヘクター・ネリス(右投手)、ホセ・ウルキーディ(先発/リリーフ)
- 補強ポイント:ブレグマンが他球団に流出した場合は三塁手がターゲットに。ブライアン・アブレイユ、ジョシュ・ヘイダー、ライアン・プレスリーの負担を減らすブルペンの補強。
- 補強に関する方針:2025年変わらずに優勝を狙って勝負する姿勢のため、ブレグマンとの再契約の動き次第では、大物の獲得に動く可能性も。ブレグマンを引き止めることに成功した場合には、残りはリリーフ陣の強化に注力すると見られています。トレード要員としてはチャス・マコーミック(外野手)、ジェイク・マイヤーズ(外野手)の名前があがる。先発投手では菊池雄星と再契約の交渉をする方針。
シアトル・マリナーズ
- 主なFA選手:イミ・ガルシア(リリーフ投手)、ホルヘ・ポランコ(二塁手)、ジャスティン・ターナー(一塁手)、ルイス・ウリアス(三塁手)
- 補強ポイント:編成本部長のジェリー・ディポトは外野手の4人(ランディ・ロザレーナ、フリオ・ロドリゲス、ビクター・ロブレス、ルーク・ラリー)は残すことを明言。ショートはJ.P.クロフォートが固定されるも、それ以外の3つのポジション(一塁、二塁、三塁)の補強が必要。
- 補強に関する方針:オーナーであるジョン・スタントンは2024年の年俸総額1億4500万ドルから、大きくはないもの増額することを示唆。ただ、大きな予算枠があるわけではなくFA市場では小規模な動きとなる。デポトの編成方針である「ドラフト、育成、トレード」が踏襲されることになり、今年もトレード市場で活発に動くことに。交換要員として注目されるのは層の厚い若い先発投手で、デポトも頭からそれらの選手のトレードを否定することはないスタンス。
テキサス・レンジャーズ
- 主なFA選手:ネイサン・イオバルディ(先発投手)、マックス・シャーザー(先発投手)、デビッド・ロバートソン(リリーフ投手)、ホセ・ウレーニャ(先発/リリーフ)、アンドリュー・チェイフィン(リリーフ投手)、カービー・イェーツ(リリーフ投手)、ホセ・レクラーク(リリフ投手)、マット・ダフィー(三塁手)、アンドリュー・ヒーニー(先発投手)、トラビス・ジャンコウスキー(外野手)、カーソン・ケリー(捕手)
- 補強ポイント:遅いイニングを任せられる信頼性の高いリリーフ投手、バックアップの捕手、バックアップの先発投手
- 補強に関する方針:先発投手はジェイコブ・デグロム、タイラー・マーリ、ジョン・グレイ、コディ・ブラッドフォード、クマール・ロッカー、ジャック・ライターと揃っているものの故障歴がある投手が多いため、層を厚くする補強が必要となっています。他には数字を落とした選手の復調、故障からカムバック、若手の成長に期待する方向性で、大きな補強の動きは少なそうな気配となっています。
オークランド・アスレチックス
- 主なFA選手:アレックス・ウッド(先発投手)ロス・ストリップリング(先発/リリーフ)、スコット・アレクサンダー(リリーフ投手)、トレバー・ゴット(リリーフ投手)、
- 補強ポイント:三塁手、若いプロスペクトの選手
- 補強に関する方針:ラスベガスに移転するまでの3年間はサクラメントのサター・ヘルス・パークが使用されることになり、本拠地が変わるため、ロースター編成の方向性にも影響。オークランド・コロシアムのように極端に投手有利ではないものの、打者有利とも言えないと球団幹部は判断しているため、極端な編成はしにくい状況。球場が3Aのチームの本拠地でもあるとおりマイナーの球場を使うことになり、FA選手にとって魅力を欠くこともネックに。基本的にはチームの再建期にあるため、大型の補強は難しいと予想される。
ロサンゼルス・エンゼルス
- 主なFA選手:ブランドン・ドルーリー(二塁手)、マット・ムーア(リリーフ投手)、ケビン・ピラー(外野手)、ハンター・ストリックランド(リリーフ投手)
- 補強ポイント:先発投手、内野手2名ほど、外野手。球団史上最悪のシーズンだったため、すべてのエリアで補強が必要。若い先発投手が多いため、ベテランの先発投手が必要。マイク・トラウトとアンソニー・レンドンの故障の懸念があるため内外野ともにバックアップの選手が必要。特にセンターとサードを守れる選手。
- 補強に関する方針:オーナーのアルトゥーロ・モレノは「2025年の年俸総額は2024年よりは多くするものの、2023年には達しないレベルにする」と話す。2023年は2億3000万ドル前後で、2024年は1億8900万ドルとなっています。2024年11月8日時点で2025年の予想年俸総額は1億3700万ドルとなっているため、大きくはないものの、それなりの補強資金の枠がある状態。トレード要員はメジャーレベルでは来シーズン終了後にFAとなるタイラー・アンダーソン(先発投手)、ルイス・レンヒーフォ(内野手)、2シーズン終了後にFAとなるテイラー・ウォード(外野手)らの名前があがる。
ア・リーグ中地区
アメリカンリーグ中部地区5球団の戦力補強の方針についてまとめています。
クリーブランド・ガーディアンズ
- 主なFA選手:シェーン・ビーバー(先発投手)、マシュー・ボイド(先発投手)、アレックス・コッブ(先発右投手)、ジェームズ・カリンチャク(リリーフ投手)
- 補強ポイント:フロントラインの先発投手(ローテの1番手、2番手クラス)と先発投手のバックアップ。センターを守れる選手、攻撃力のある選手
- 補強に関する方針:シェーン・ビーバーに関しては互いに再契約に向けての関心がある。またボイド、コッブなども可能性は残る。ただ、基本的にはFA市場ではなくトレードで補強に動く可能性が高い。トレード要員として名前が上がるのはエマヌエル・クラーセ、ジョシュ・ネイラーなどのリリーフ投手。特に2025年シーズン終了後にFAとなるネイラーは有力候補。
カンザスシティ・ロイヤルズ
- 主なFA選手:マイケル・ロレンゼン(先発投手)、ウィル・スミス(リリーフ投手)、ポール・デヨング(遊撃手)、アダム・フレイジャー(二塁手)、ロビー・グロスマン(外野手)、ユリ・グリエル(一塁手)、ギャレット・ハンプソン(ユーティリティ)、トミー・ファム(外野手)
- 補強ポイント:マイケル・ワカと契約する前は先発投手もターゲットだったものの解決済み。打線の強化のためリードオフマンと打線の中軸が補強ポイント。
- 補強に関する方針:マイケル・ワカを加えたことでバックアップも含めて整った状態となり、先発ローテの補強には動くつもりはないことをJ.J.ピッコロGMは明言。ブルペンは質と量ともに満足していることをGMは明かしているため、投手陣の補強に積極的に動く可能性は低い。打線では出塁率を高めることを目標としていて、それを実現できるリードオフマン、中軸打者の補強を模索するとGMは明かす。
デトロイト・タイガース
- 主なFA選手:なし
- 補強ポイント:スコット・ハリス編成本部長は「右打者」と「先発投手」を補強ポイントとして明言
- 補強に関する方針:ジャック・フラハティのトレードと前田健太のブルペン配置転換のため、先発ローテの補強は優先事項に。能力があり、タイガースのクラブハウスにフィットする選手と確信できるのであれば、金銭も、交換要員のプロスペクトも惜しまないと編成本部長は話す。トレードとFA市場の両面の補強を模索。特にファームは再建により充実しているので交渉カードは多い状態。ハリス編成本部長はFA選手は短期契約の選手を選んできているが、この冬は長期契約の選手を獲得する可能性も。
ミネソタ・ツインズ
- 主なFA選手:アンソニー・デスクラファニ(先発投手)、カイル・ファーマー(内野手)、マックス・ケプラー(外野手)、マニュエル・マーゴット(外野手)、カルロス・サンタナ(一塁手)、カレブ・シールバー(リリーフ投手)
- 補強ポイント:リリーフ投手は優先度の高い補強ポイント。外野の両翼、内野で右打ちの強打者
- 補強に関する方針:オーナーグループが球団の売却を目指している状態では、大きな資金の投資は考えにくい状況。そのため補強の動きはトレードでは可能性がある状態。トレード交換要員として名前が上がるのが2025年の年俸が1000万ドルのクリスチャン・バスケス(捕手)、750万ドルのクリス・パダック(先発投手)
シカゴ・ホワイトソックス
- 主なFA選手:マイク・クレビンジャー(先発投手)、クリス・フレクセン(先発投手)、マシュー・ボイド(先発投手)、ドミニク・レオン(リリーフ投手)、ヨアン・モンカダ(三塁手)、マイク・ソロカ(先発/リリーフ投手)、マックス・スタッシ(捕手)
- 補強ポイント:プロスペクトも含めた攻撃面で期待できる若い野手
- 補強に関する方針:完全にチーム再建に移行するため、トレードでどれだけ質の高い若い選手を獲得できるかが重要に。ギャレット・クロシェ(先発投手)はこのオフの最大の交渉カードに。2024年は146回で防御率3.58、209奪三振。年俸調停権を有しているものの2024年は80万ドルと格安で、2025年と2026年の2シーズンをコントールできるのも大きな魅力。その他すべての選手にトレードの可能性がある。2023年に38本塁打、OPS.857を記録したセンターのルイス・ロベルト・ジュニアも注目選手の一人。
ア・リーグ東地区
アメリカンリーグ東部地区5球団の戦力補強の方針についてまとめています。
ニューヨーク・ヤンキース
- 主なFA選手:フアン・ソト(外野手)、グレイバー・トーレス(二塁手)、アンソニー・リゾ(一塁手)、クレイ・ホームズ(リリーフ投手)、ティム・ヒル(左投手)、トミー・ケインリー(リリーフ投手)、ジョナサン・ロアイシガ(リリーフ投手)、ルー・トリビーノ(リリーフ投手)
- 補強ポイント:ファン・ソトとの再契約。ソトと再契約できない場合はジャッジをサポートするクラスの強打者。外野の両翼、セカンド、ブルペン
- 補強に関する方針:オーナーのスタインブレナーの「チャンピオンシップをとるチームを作るのに3億ドルが必要だとは考えていない」という考えが反映される可能性が高い。2億9000万ドル前後が上限値になる可能性が高い。それを考慮すると年平均5000万ドルまではソトに出せると予測される。トレードに関してはすべての合理的なオファーに耳を傾けるとオープンな姿勢をキャッシュマンGMは示す。ソトと再契約できた場合、残りの補強はトレード中心になる可能性も。
ボルティモア・オリオールズ
- 主なFA選手:コービン・バーンズ(先発投手)、アンソニー・サンタンダー(外野手)、ダニー・クーロンブ(リリーブ投手)、エロイ・ヒメネス(指名打者)、ブルックス・クリスキー(リリーフ投手)、ジェームズ・マキャン(捕手)、ジョン・ミーンズ(先発投手)、オースティン・スレーター(外野手)
- 補強ポイント:外野のアンソニー・サンタンダー、先発投手のコービン・バーンズの両者と再契約するか、できない場合は穴を埋めれる選手の獲得。
- 補強に関する方針:デビッド・ルーベンスタイン率いるオーナーグループのもとで、年俸総額の予算は増えることが見込まれる。外野は左打者に偏っているため、右の強打者であるテオスカー・ヘルナンデスなどがターゲットか。投手ではエース級が必要となるためブレイク・スネル、マックス・フリードなどを狙う可能性も。トレード要員ではFAまで残り2シーズンのライアン・マウントキャッスル(一塁手)などの名前があがる。
ボストン・レッドソックス
- 主なFA選手:ニック・ピベッタ(先発投手)、ルイス・ガルシア(リリーフ投手)、ダニー・ジャンセン(捕手)、ケンリー・ジャンセン(リリーフ投手)、クリス・マーティン(リリーフ投手)、タイラー・オニール(外野手)、ルーカス・シムズ(リリーフ投手)
- 補強ポイント:エース級の先発投手、中軸を打てる右打ちのパワーヒッター、パワーピッチャータイプのリリーフ投手
- 補強に関する方針:投手ではア・リーグ東地区で結果を残しているコービン・バーンズ、野手では右打ちのピート・アロンソ、テオスカー・ヘルナンデスなどがターゲットに。2025年の予想される年俸総額は1億3000万ドル程度で、ぜいたく税の基準である2億4100万ドルまでもかなり余裕がある状況。トレードではFA市場での補強次第ではあるもののトリストン・カサス(一塁手)の名前があがる。
タンパベイ・レイズ
- 主なFA選手:なし
- 補強ポイント:右打ちの捕手、攻撃力を加えることできる打者
- 補強に関する方針:ハリケーンによるトロピカーナ・フィールドの被害が甚大なため、本拠地をどうするのかという方針も、オフの補強に多大な影響がでる状況。エリック・ニアンダー編成本部長は左打ちのベン・ロートベットと併用できるような右打ちの捕手の獲得を優先課題として明らかに。ポジションプレイヤーは複数ポジションを守れる選手が多いので、攻撃力のある打者であれば特にポジションは限定しない補強に動く模様。トレードに関しては層が厚めの先発投手陣らが交渉のカードになる可能性が。リリーフと内野も若い選手の台頭があり、放出に動ける余裕がある状態。トレード補強に関してはあらゆる可能性が否定できない。
トロント・ブルージェイズ
- 主なFA選手:ライアン・ヤーブロー(リリーフ投手)
- 補強ポイント:ブルペン、左翼手、三塁手、捕手
- 補強に関する方針:マーク・シャパイロ球団社長は、年俸総額の予算に大きな変更はないことを明かす。2024年の年俸総額は2億1800万ドルで、補強前の2025年の予想される年俸総額は1億8900万ドル。そのため大きな方針変更がない限り大型の補強には動きにくい状況。トレードでは、プロスペクトとメジャーレベルで内野手に人材がだぶついているので、交換要員になる可能性がある。トレード市場での動きのほうが可能性が高い。
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