49回目の開催となる全英女子オープンは2025年7月31日から8月3日に、ウェールズのブリジェンド郡区ポースコールにあるロイヤル・ポースコール・ゴルフクラブで行われます。
全英女子オープンとは?
全英女子オープンは、女子プロゴルフの5つのメジャートーナメントのひとつで、LPGAツアーと欧州女子ツアーの両方からメジャートーナメントとして認定されています。
全英女子オープンの主催はThe R&A (The Royal and Ancient Golf Club of St Andrews)です。
1976年に設立されたトーナメントで、1979年以降は欧州女子ツアーの公式戦として行われてきました。
その後、1984年に一度、LPGAツアーの競技となりますが1年のみで外れ、再び1994年からLPGAツアーに組み込まれています。
正式にLPGAツアーのメジャートーナメントして認定されたのは2001年からです。
欧州女子ツアーはアメリカで行われている3つのメジャーは認定していないため、この全英女子オープンとエビアンチャンピオンシップがツアーのメジャートーナメントとなっています。
歴史
全英女子オープンの名称は以下のような変遷をしています。
- 1976-1978年:全英女子オープン(Women’s British Open)
- 1979-1982年: プリティ・ポリー全英女子オープン(Pretty Polly Women’s British Open)
- 1983年: 中止
- 1984年: 日立全英女子オープン(Hitachi Women’s British Open)
- 1985年: バーバリー全英女子オープン(Burberry Women’s British Open)
- 1986年: 全英女子オープン(Women’s British Open)
- 1987-1993年: ウィータビックス全英女子オープン(Weetabix Women’s British Open)
- 1994-2010年: 全英女子オープン(Women’s British Open)
- 2011-2018年: リコー全英女子オープン(Ricoh Women’s British Open)
- 2019年: AIG全英女子オープン(AIG Women’s British Open)
- 2020年以降: AIG女子オープン(AIG Women’s Open)
2020年以降は英語ではBritishがトーナメント名から外れているため、直訳すると「AIG女子オープン」となります。日本のメディアは引き続き全英女子オープンと報じられますが、ここでは名前の変遷を明確にするため、AIG女子オープンとしています。
全英女子オープンはこれまで以下のコースで開催されています。
回数 | コース名 |
---|---|
9 | ウォーバン・ゴルフクラブ(デュークスコース) |
6 | ロイヤルバークデール・ゴルフクラブ |
5 | ロイヤルリザム&セントアンズ・ゴルフクラブ |
4 | サニングデール・ゴルフクラブ(オールドコース) |
3 | セントアンドリュース・リンクス(オールドコース) |
2 | ウォーバン・ゴルフクラブ(マーキーズコース) ターンベリー・ゴルフクラブ(エルサコース) リンドリック・ゴルフクラブ カーヌスティ・ゴルフリンクス |
1 | ロイヤルリバプール・ゴルフクラブ ロイヤルトゥルーン・ゴルフクラブ(オールドコース) ミュアフィールド ウェントワース・ゴルフクラブ ウォルトンヒース・ゴルフクラブ キングスバーンズ・ゴルフリンクス サウスポート&エインズデール・ゴルフクラブ セントメリオン ノーサンバーランド・ゴルフクラブ フルフォード・ゴルフクラブ フォックスヒルズ・ゴルフクラブ ムーアパーク・ゴルフクラブ フォックスヒルズ・ゴルフクラブ |
ホストコース
2025年大会はウェールズのロイヤル・ポースコール・ゴルフクラブで行われます。
ロイヤル・ポースコール・ゴルフクラブで全英女子オープンが開催されるのは初めてとなります。
ロイヤルポースコールゴルフクラブは、1891年にカーディフのビジネスマンのグループによって設立されました。
当初はロックスコモンに9ホールのコースがありましたが、1895年に現在の場所に移転し、18ホールに拡張されました。
1909年にエドワード7世から「ロイヤル」の称号を授与されました。クラブは、全英アマチュア(7回)、ウォーカーカップ(1995年)、全英シニアオープン(3回)などの数多くの著名なトーナメントを開催してきました。
ロイヤルポースコールは、ウェールズで最高のゴルフクラブとして認識されており、世界的にも高く評価されています。
このコースは、リンクスコースに典型的な砂丘がないため、すべてのホールから美しい海の景色を楽しむことができるようになっています。
コースの芝は、沿岸環境に適した伝統的なリンクスグラスが混合して使用されています。
これには、フェスキューとべントグラスが含まれており、安定したとした速いプレイングサーフェスを提供しています。
18ホールのコースは全長7,137ヤードで、パー72です。
レイアウトは、海沿いの3つのチャレンジングなホールから始まり、その後、さまざまな地形を通る一連の内陸ホールが続きます。最後のホールは再び海沿いに戻り、壮大な景色を楽しみながらドラマチックなフィニッシュを迎えることになります。
歴代の優勝者・賞金総額・優勝賞金
メジャー昇格後の2001年以降の優勝者、賞金総額、優勝賞金は以下のとおりとなっています。
年 | 優勝者 | 賞金総額 | 優勝賞金 |
---|---|---|---|
2024 | リディア・コ | $9,000,000 | $1,350,000 |
2023 | リリア・ヴ | $9,000,000 | $1,350,000 |
2022 | アシュリー・ブハイ | $7,300,000 | $1,095,000 |
2021 | アンナ・ノードクビスト | $5,800,000 | $870,000 |
2020 | ソフィア・ポポフ | $4,500,000 | $675,000 |
2019 | 渋野日向子 | $4,500,000 | $675,000 |
2018 | ジョージア・ホール | $3,250,000 | $490,000 |
2017 | キム・インキョン | $3,250,000 | $504,821 |
2016 | アリヤ・ジュタヌガーン | $3,000,000 | $412,047 |
2015 | パク・インビー | $3,000,000 | $464,817 |
2014 | モー・マーティン | $3,000,000 | $474,575 |
2013 | ステーシー・ルイス | $2,750,000 | $402,583 |
2012 | シン・ジエ | $2,750,000 | $428,650 |
2011 | ヤニ・ツェン | $2,500,000 | $392,133 |
2010 | ヤニ・ツェン | $2,500,000 | $408,714 |
2009 | カトリオナ・マシュー | $2,200,000 | $335,000 |
2008 | シン・ジエ | $2,100,000 | $314,464 |
2007 | ロレーナ・オチョア | $2,000,000 | $320,512 |
2006 | シェリー・スタインハウアー | $1,800,000 | $305,440 |
2005 | チョン・ジャン | $1,800,000 | $280,208 |
2004 | カレン・スタップルズ | $1,600,000 | $290,880 |
2003 | アニカ・ソレンスタム | $1,600,000 | $254,880 |
2002 | カリー・ウェブ | $1,500,000 | $236,383 |
2001 | パク・セリ | $1,500,000 | $221,650 |
2025年大会の賞金配分・ポイント配分
2025年大会の賞金配分については、確認でき次第、情報を差し替えて更新する予定です。なお、以下は2024年開催時の賞金とCMEグローブポイントの配分リストです。
R | Prize | Pts | R | Prize | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | $1,425,000 | 650 | 16 | $137,401 | 68.9 |
2 | $939,026 | 416 | 17 | $130,177 | 66.3 |
3 | $680,078 | 299 | 18 | $123,979 | 63.7 |
4 | $525,171 | 234 | 19 | $118,818 | 61.1 |
5 | $421,910 | 188.5 | 20 | $114,682 | 58.5 |
6 | $344,457 | 156 | 21 | $110,557 | 55.9 |
7 | $287,660 | 130 | 22 | $106,422 | 53.3 |
8 | $251,519 | 117 | 23 | $102,297 | 50.7 |
9 | $225,701 | 104 | 24 | $98,161 | 48.1 |
10 | $205,045 | 97.5 | 25 | $94,549 | 45.5 |
11 | $189,550 | 91 | 26 | $90,937 | 42.9 |
12 | $176,641 | 84.5 | 27 | $87,315 | 40.3 |
13 | $165,281 | 78 | 28 | $83,703 | 37.7 |
14 | $154,958 | 74.1 | 29 | $80,091 | 35.1 |
15 | $145,662 | 71.5 | 30 | $76,992 | 32.5 |
出場資格の一覧
メジャートーナメントのため、LPGAツアー、ヨーロピアン女子ツアーのの出場資格だけではエントリーすることができません。
ツアーのプライオリティリストとは異なる独自の基準と優先順位に従い出場権が与えられます。
全英女子オープンの予選免除資格(出場資格)は以下のとおりとなっています。
- 全英女子オープンの歴代優勝者
- 前年の全英女子オープンでトップ10フィニッシュした選手
- 前年の欧州女子ツアーの最終賞金ランキングでトップ15フィニッシュした選手
- 開催4週前の2025年欧州女子ツアー賞金ランキングでトップ5フィニッシュした選手
- 前年の「レース・トゥ・CMEグローブ」の最終ポイントランキングでトップ35に入った選手
- 開催4週前の2025年「レース・トゥ・CMEグローブ」のポイントランキングでトップ25に入った選手
- 開催6週前の女子ゴルフ世界ランキングのトップ50の選手
- サントリー・レディース・オープン終了時点で、JLPGA(日本女子ツアー)賞金ランキングでトップ3に入った選手
- 開催4週前のKLPGA(韓国女子ツアー)賞金ランキングのトップ2に入った選手
- 今年開催された欧州女子ツアーとLPGAツアー公式戦の優勝者
- 前年のJLPGA(日本女子ツアー)賞金ランキングの優勝者
- 前年のKLPGA(韓国女子ツアー)賞金ランキングの優勝者
- 過去5年間のシェブロンチャンピオンシップの優勝者
- 過去5年間の全米女子プロゴルフ選手権の優勝者
- 過去5年間の全米女子オープンの優勝者
- 過去5年間のエビアンチャンピオンシップの優勝者
- 今年のサントリー・レディース・オープンでトップ2に入った選手
- 今年のISPSハンダ女子スコティッシュオープンでトップ3に入った選手
- 今年の全米女子アマチュア選手権の優勝者
- 今年のマーク・H・マコーマックメダルの受賞者
- 前年および今年のアジアパシフィック女子アマチュア選手権の優勝者
- 前年のラテンアメリカ女子アマチュア選手権の優勝者
- 今年のオーガスタナショナル女子アマチュア選手権の優勝者
- 今年の全英女子アマチュア選手権の優勝者
- 今年のヨーロピアン女子アマチュア選手権の優勝者
- 女子アマチュアシリーズの優勝者
- 産休による出場資格延長の対象者
以上が予選免除の資格となりますが、予選会を通じて、プロ・アマを問わず出場することが可能です。
出場資格の詳細、予選会については「全英女子オープンゴルフ2025の出場資格と有資格者の一覧」を参照してください。
出場予定選手
出場予定選手はコミットメントが確認でき次第、更新する予定です。
以下は2025年大会の出場資格を有している選手の一覧です。出場のコミットメントをしているわけではありません。
- 渋野日向子
- 岩井明愛
- 西郷真央
- 笹生優花
- 古江彩佳
- アシュリー・ブハイ
- アニカ・ソレンスタム
- アリセン・コープス
- アリヤ・ジュタヌガーン
- アレクサ・パノ
- アンナ・ノルドクビスト
- イム・ジン・ヒー
- イン・ルオニン
- ウ・チャンウェイ
- エイミー・ヤン
- エミリー・クライン
- エンゼル・イン
- カサンドラ・アレクサンダー
- カトリーナ・マシュー
- カレン・スタップルズ
- カレン・ラン
- キム・インギョン
- ジェニファー・カップチョ
- ジャン・ジョン
- ジョージア・ホール
- シン・ジエ
- シン・ジエ
- ステイシー・ルイス
- セリーヌ・ブティエ
- ソフィア・ポポフ
- ソフィー・グスタフソン
- チョン・インジ
- ナンナ・コルツ・マドセン
- ネリー・コルダ
- パク・インビ
- パク・セリ
- パジャレー・アナナルカルン
- パティ・タバタナキット
- ブルック・ヘンダーソン
- ヘレン・アルフレッドソン
- ミンジ・リー
- モー・マーティン
- ヤニ・ツェン
- リスロッテ・ノイマン
- リディア・コ
- リリア・ヴ
- リン・グラント
- ロッティ・ウッド
- ロレーナ・オチョア
- ローラ・デービース
出場資格の詳細、予選会については「全英女子オープンゴルフ2025の出場資格と有資格者の一覧」を参照してください。
テレビ放送・ネット配信
2025年のテレビ放送・ネット配信のメディア、放送・配信日時は情報を確認でき次第、こちらに更新します。
なお、それまでは参考として2024年のテレビ放送・ネット配信について掲載します。2025年の情報がわかった時点で差し替えます。
ゴルフネットワーク(スカパー・CATV)
専門チャンネルの『ゴルフネットワーク』が全ラウンドを生中継しました。
しかし、ネット配信のゴルフネットワークプラスでの生中継は行われていません。
- 第1ラウンド:8月22日(木)19:00 – 26:00(生中継)
- 第2ラウンド:8月23日(金)19:00 – 26:00(生中継)
- 第3ラウンド:8月24日(土)20:00 – 27:00(生中継)
- 第4ラウンド:8月25日(日)20:00 – 27:00(生中継)
ネット動画配信サービスのU-NEXTが全ラウンドをライブ配信しました。
配信は「日本語実況・解説」と「国際映像」の2チャンネルでの配信が行われました。
- 第1ラウンド:8月22日(木)19:30 – (生中継)
- 第2ラウンド:8月23日(金)19:30 – (生中継)
- 第3ラウンド:8月24日(土)19:30 – (生中継)
- 第4ラウンド:8月25日(日)19:30 – (生中継)
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