80回目の開催となる全米女子オープンは2024年5月29日から6月1日に、ウィスコンシン州エリンにあるエリン・ヒルズで行われます。
全米女子オープンゴルフとは?
全米女子オープンは、LPGAツアーの5つのメジャーチャンピオンシップの中で最も古く、1946年に設立されました。
1953年からはUSGA(全米ゴルフ協会)のイベントとなり、1950年のLPGA(全米女子プロゴルフ協会)の設立以来、メジャートーナメントとして認定されています。
ただ、欧州女子ツアーではメジャーと認定されていません。
大会は女子ゴルフで最高の賞金額を誇り、2022年には賞金総額が1,000万ドルに増加しました。
2008年の大会では、韓国のインビー・パークが19歳11ヶ月17日で大会史上最年少優勝者となりました。2021年には、笹生優花がパークと並んで最年少優勝者となりました。
2020年にはCOVID-19の影響で12月に延期され、初めて2つのコースで開催されています。
歴史
開催コースの変遷
全米女子オープンでは、様々なコースが使用されています。2000年以降の年度別の開催コースは以下の表のとおりとなっています。
年 | コース名 |
---|---|
2024 | ランカスター・カントリークラブ |
2023 | ペブルビーチ・ゴルフリンクス |
2022 | パインニードルズ・ロッジ・アンド・ゴルフクラブ |
2021 | オリンピッククラブ |
2020 | チャンピオンズ・ゴルフクラブ |
2019 | カントリークラブ・オブ・チャールストン |
2018 | ショールクリーク・ゴルフ・アンド・カントリークラブ |
2017 | トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ |
2016 | コルデヴァレ・ゴルフクラブ |
2015 | ランカスター・カントリークラブ |
2014 | パインハースト・リゾート |
2013 | セボナック・ゴルフクラブ |
2012 | ブラックウルフ・ラン |
2011 | ブロードモア・ゴルフクラブ |
2010 | オークモント・カントリークラブ |
2009 | ソーコンバレー・カントリークラブ |
2008 | インターロッヘン・カントリークラブ |
2007 | パインニードルズ・ロッジ・アンド・ゴルフクラブ |
2006 | ニューポート・カントリークラブ |
2005 | チェリーヒルズ・カントリークラブ |
2004 | オーチャーズ・ゴルフクラブ |
2003 | パンプキンリッジ・ゴルフクラブ |
2002 | プレーリーデューンズ・ゴルフクラブ |
2001 | パインニードルズ・ロッジ・アンド・ゴルフクラブ |
2000 | メリットクラブ |
2025年以降の開催コースの予定
USGAが公表している2026年以降の開催コースの予定は以下のとおりとなっています。
年 | コース名 |
---|---|
2026 | リビエラ・カントリークラブ |
2027 | インバネス・クラブ |
2028 | オークモント・カントリークラブ |
2029 | パインハースト No. 2 |
2030 | インターロッケン・クラブ |
2031 | オークランドヒルズ・カントリークラブ |
2032 | ロサンゼルス・カントリークラブ |
2033 | シカゴ・ゴルフクラブ |
2034 | メリオン・ゴルフクラブ |
2035 | ペブルビーチ・ゴルフリンクス |
2036 | シネコックヒルズ・ゴルフクラブ |
複数回の優勝者
全米オープンで2回以上優勝したことがある選手は以下のとおりとなっています。
選手名(優勝回数) | 優勝した年 |
---|---|
ベッツィ・ロールズ(4回) | 1951年、1953年、1957年、1960年 |
ミッキー・ライト(4回) | 1958年、1959年、1961年、1964年 |
ベーブ・ザハリアス(3回) | 1948年、1950年、1954年 |
スージー・バーニング(3回) | 1968年、1972年、1973年 |
ホリス・ステーシー(3回) | 1977年、1978年、1984年 |
アニカ・ソレンスタム(3回) | 1995年、1996年、2006年 |
ルイーズ・サッグス(2回) | 1949年、1952年 |
ドナ・カポニ(2回) | 1969年、1970年 |
ジョアン・カーナー(2回) | 1971年、1976年 |
ベッツィ・キング(2回) | 1989年、1990年 |
パティ・シーハン(2回) | 1992年、1994年 |
カリー・ウェブ(2回) | 2000年、2001年 |
ジュリ・インクスター(2回) | 1999年、2002年 |
メグ・マロン(2回) | 1991年、2004年 |
インビー・パーク(2回) | 2008年、2013年 |
笹生優花(2回) | 2021年、2024年 |
ホストコース
2025年大会はウィスコンシン州エリンのエリンヒルズで行われます。全米女子オープンでは、2017年以来2回目のホストコースとなります。
他のUSGAの大会では2011年に全米アマチュアが行われています。
2006年にオープンした比較的新しいコースですが、すぐに高い評価を受け、2017年には全米オープンを開催しました。これは、一般公開されているコースの中でも数少ない例の一つです。
コースはマイケル・ハードザン博士、デイナ・フライ、ロン・ウィッテンによって設計され、その自然の美しさと挑戦的なレイアウトで名を知られています。
氷河によって形成された起伏のある地形が特徴のケトルモレーン地域に位置しています。自然の湿地や草原を保護されていて、この自然の景観がコースの美しさと挑戦を増し加えています。
エリンヒルズは、広大なリンクススタイルのレイアウトで、652エーカー(東京ドーム56.5個分)以上の広さを誇ります。
広いフェアウェイ、起伏のある地形、戦略的に配置されたバンカーがコースの特徴です。
パー72で、チャンピオンシップティーからは最大7,812ヤードに達し、女子のメジャーチャンピオンシップの中でも最も長いコースの一つです。
使用されている芝の種類は、フェアウェイとラフにはフェスキューグラスが使用されており、リンクススタイルのコースで典型的な芝です。グリーンはベントグラスとなっています。
注目ホールの一つは、バンカーに囲まれたグリーンへの劇的なダウンヒルショットが特徴の9番パー3です。
もう一つのハイライトは、狭いフェアウェイとよくガードされたグリーンを持つ、距離の長い挑戦的なフィニッシングホールであるパー5の18番ホールです。
歴代の優勝者・賞金総額・優勝賞金
全米女子オープンの歴代の優勝者、賞金総額、優勝賞金は以下のとおりとなっています。なお2000年より前の情報は割愛しています。
年 | 優勝者 | 賞金総額 ($) | 優勝賞金 ($) |
---|---|---|---|
2024 | 笹生優花 (2) | $12,000,000 | $2,400,000 |
2023 | アリセン・コープズ | $11,000,000 | $2,000,000 |
2022 | ミンジー・リー | $10,000,000 | $1,800,000 |
2021 | 笹生優花 | $5,500,000 | $1,000,000 |
2020 | キム・アリム | $5,500,000 | $1,000,000 |
2019 | イ・ジョンウン | $5,500,000 | $1,000,000 |
2018 | アリヤ・ジュタヌガーン | $5,000,000 | $900,000 |
2017 | パク・ソンヒョン | $5,000,000 | $900,000 |
2016 | ブリタニー・ラング | $4,500,000 | $810,000 |
2015 | チョン・インジ | $4,500,000 | $810,000 |
2014 | ミシェル・ウィー | $4,000,000 | $720,000 |
2013 | インビー・パーク (2) | $3,250,000 | $585,000 |
2012 | チェ・ナヨン | $3,250,000 | $585,000 |
2011 | ユ・ソヨン | $3,250,000 | $585,000 |
2010 | ポーラ・クリーマー | $3,250,000 | $585,000 |
2009 | チ・ウンヒ | $3,250,000 | $585,000 |
2008 | インビー・パーク | $3,250,000 | $585,000 |
2007 | クリスティ・カー | $3,100,000 | $560,000 |
2006 | アニカ・ソレンスタム (3) | $3,100,000 | $560,000 |
2005 | バーディー・キム | $3,100,000 | $560,000 |
2004 | メグ・マロン (2) | $3,100,000 | $560,000 |
2003 | ヒラリー・ルンケ | $3,100,000 | $560,000 |
2002 | ジュリー・インクスター (2) | $3,000,000 | $535,000 |
2001 | カリー・ウェブ (2) | $2,900,000 | $520,000 |
2000 | カリー・ウェブ | $2,750,000 | $500,000 |
2025年大会の賞金配分・ポイント配分
2025年大会の賞金配分については、確認でき次第、情報を差し替えて更新する予定です。なお、以下は2024年開催時の賞金とCMEグローブポイントの配分リストです。
R | Prize | Pts | R | Prize | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | $2,400,000 | 650 | 16 | $171,243 | 68.9 |
2 | $1,296,000 | 416 | 17 | $161,841 | 66.3 |
3 | $781,623 | 299 | 18 | $152,438 | 63.7 |
4 | $547,932 | 234 | 19 | $143,036 | 61.1 |
5 | $456,375 | 188.5 | 20 | $133,633 | 58.5 |
6 | $404,661 | 156 | 21 | $125,523 | 55.9 |
7 | $364,818 | 130 | 22 | $117,414 | 53.3 |
8 | $326,738 | 117 | 23 | $109,539 | 50.7 |
9 | $295,709 | 104 | 24 | $102,252 | 48.1 |
10 | $271,615 | 97.5 | 25 | $95,905 | 45.5 |
11 | $247,874 | 91 | 26 | $90,499 | 42.9 |
12 | $229,186 | 84.5 | 27 | $86,385 | 40.3 |
13 | $213,555 | 78 | 28 | $82,742 | 37.7 |
14 | $197,100 | 74.1 | 29 | $79,216 | 35.1 |
15 | $182,996 | 71.5 | 30 | $75,690 | 32.5 |
出場資格の一覧
メジャートーナメントのため、LPGAツアーの出場資格だけではエントリーすることができません。
ツアーのプライオリティリストとは異なる独自の基準と優先順位に従い出場権が与えられます。
全米女子オープンは、プロおよびアマチュアの女性ゴルファーが出場可能なトーナメントです。
アマチュア選手は、USGAハンディキャップインデックスが2.4以下である必要があります。
様々な予選免除の資格がありますが、それを有していない場合、全米オープン予選会を通じてプロ・アマを問わず出場することが可能です。
予選会は2010年以降、1日で行われる36ホールのセクショナルステージに統一されています。
全米女子オープンゴルフの出場資格(予選免除の資格)は以下のとおりとなっています。
- 過去10年間の全米女子オープンの優勝者
- 前年の全米女子オープンでの10位タイ以内の選手
- 前年の全米シニア女子オープンの優勝者
- 前年の全米女子アマチュアの優勝者(アマチュアであることが条件)
- 前年の全米女子ジュニア、全米女子ミッドアマチュアの優勝者、2023年全米女子アマチュアの準優勝者(アマチュアであることが条件)
- 過去5年間のシェブロンチャンピオンシップの優勝者
- 過去5年間の全米女子プロゴルフ選手権の優勝者
- 過去5年間のエビアンチャンピオンシップの優勝者
- 過去5年間の全英女子オープンの優勝者
- 前年のLPGAレース・トゥ・ザ・CMEグローブの最終ポイントランキング上位30名
- 前年の全米女子オープン終了後から今年の全米女子オープン開始までの間に行われたLPGA共催の公式戦の優勝者
- 今年のオーガスタナショナル女子アマチュアの優勝者(アマチュアであることが条件)
- 前年の全英女子アマチュア選手権の優勝者(アマチュアであることが条件)
- 前年のマーク・H・マコーマックメダルの受賞者(世界アマチュアゴルフランキング1位;アマチュアであることが条件)
- 今年のNCAAディビジョンI・個人ゴルフ選手権の優勝者(アマチュアであることが条件)
- 今年のレース・トゥ・CMEグローブのポイントランキング上位10名(2025年4月2日時点)
- 現在の女子世界ゴルフランキングの上位75名
- 女子世界ゴルフランキングの上位75名
- 特別免除
さらに詳しい出場資格の情報は「全米女子オープンゴルフ2025の出場資格と有資格選手」にまとめています。
出場予定選手
出場予定選手はコミットメントが確認でき次第、更新する予定です。なお、以下は2025年大会の出場資格を有している選手の一覧です。出場のコミットメントをしているわけではありません。
- 小祝さくら
- 笹生優花
- 渋野日向子
- 竹田麗央
- 古江彩佳
- アシュリー・ブハイ
- アスタリスク・タリー
- アタヤ・ティティクル
- アリセン・コープス
- アリヤ・ジュタヌガーン
- アリー・ユーイング
- アルピチャヤ・ユボル
- アンドレア・リー
- アンナ・ノルドクビスト
- イン・ルオニン
- ウィチャネ・メーチャイ
- エイミー・ヤン
- キム・アリム
- ジェニファー・カップチョ
- セリーヌ・ブティエ
- ソフィア・ポポフ
- チャネッテ・ワンナーセン
- チョン・インジ
- ネリー・コルダ
- パク・ソンヨン
- パティ・タバタナキット
- ハナ・リスコヴァ
- ブリタニー・ラング
- ブルック・ヘンダーソン
- ヘアラン・リュ
- ミンジ・リー
- モリヤ・ジュタヌガーン
- リアン・マリクシ
- リディア・コ
- リネア・ストロム
- リリア・ヴ
- リー・チョンウン
- レタ・リンドリー
- ローレン・コフリン
出場権を有する選手の詳しい出場資格に関する情報は「全米女子オープンゴルフ2025の出場資格と有資格選手」にまとめています。
テレビ放送・ネット配信
2025年の放送予定は情報が確認でき次第、更新する予定です。
なお、2024年はBS松竹東急とゴルフネットワークによって生中継されました。参考としてその際の放送日時を掲載します。
2025年の情報が確定した時点で差し替えます。
- 第1ラウンド:5月31日(金)4:00-9:00
- 第2ラウンド:6月1日(土)4:00-9:00
- 第3ラウンド:6月2日(日)3:00-7:00
- 第4ラウンド:6月3日(月)3:00-7:00(最大延長10:00)
- 第1ラウンド:5月30日(木) 21:00-翌3:00 (生中継)
- 第2ラウンド:5月31日(金) 21:00-翌3:00 (生中継)
- 第3ラウンド:6月1日(土) 21:00-翌3:00 (生中継)
- 第4ラウンド:6月2日(日) 21:00-翌3:00 (生中継)
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