107回目の開催となる全米プロゴルフ選手権は、ノースカロライナ州シャーロットにあるクウェイルホロー・クラブで、2025年5月15日から18日に行われます。
その全米プロゴルフ選手権2025の概要です。
全米プロゴルフ選手権とは?
全米プロゴルフ選手権とは?は、ゴルフの男子4大メジャー選手権の1つであり、アメリカプロゴルフ協会(PGA of America)によって運営されています。
他の多くのプロイベントを組織する「PGAツアー」とは異なります。
PGA of Americaは、ゴルフの普及とゴルフ・プロフェッショナル、特にクラブ・プロフェッショナルの支援に焦点を当てており、このメジャー大会をその活動の一環として運営しています。
世界最高のゴルファーが集まること、長い歴史、そしてスポーツ界での権威ある地位で知られています。
歴史(スケジュールとフォーマットの変更を含む)
- 創設: 最初のPGA選手権は1916年にニューヨーク州ブロンクスビルのシワノイカントリークラブで開催されました。
- フォーマットの変更: 1916年から1957年までマッチプレー形式で行われていました。1958年にはストロークプレー形式に変更され、現在もこの形式が採用されています。
- スケジュールの変更: 歴史的に、全米プロゴルフ選手権は8月に開催されていました。2019年に年間を通じてメジャー大会が分散して開催されるようにするために5月に移されました。この変更により、マスターズ(4月)の後、全米オープン(6月)の前に配置されることになりました。
フォーマット・プレーオフ・予選カットのルール
トーナメントはストロークプレー形式で72ホール(各18ホールの4ラウンド)を4日間(木曜日から日曜日)にわたって行います。
各選手の総ストローク数がカウントされ、4ラウンド終了時に最もスコアが低い選手がチャンピオンとなります。
72ホール終了後に同スコアの場合、「3ホールのアグリゲート・プレーオフ」が行われます。1ホールだけで決着するのではなく、あらかじめ定められている3ホールの合計スコアで競うことになります。
プレーオフ後も同点の場合は、「サドンデス・プレーオフ」で勝者が決定されます。
全米プロゴルフ選手権では、最初の36ホール終了後、フィールドは上位70位(タイを含む)にカットされます。
これにより、上位70スコア(タイを含む)以内の選手が週末に競技を続けることができます。カットに入らなかった選手は、最終2ラウンド(土曜日と日曜日)から除外されます。
ホストコースの変遷
全米プロゴルフ選手権は、常に様々な会場で開催されており、バルタスロール、ウィスリングストレイツ、ベスページブラックなど、アメリカの権威あるゴルフコースを巡回しています。
全米プロゴルフ選手権は、これまで以下のようなコースで開催されています。
【5回開催】
- サザンヒルズ・カントリークラブ
【4回開催】
- ヴァルハラ・ゴルフクラブ
- オークヒル・カントリークラブ
【3回開催】
- アトランタ・アスレチッククラブ
- ウィスリング・ストレーツ
- オークモント・カントリークラブ
- オークランドヒルズ・カントリークラブ
- ファイアストーン・カントリークラブ
【2回開催】
- インバネス・クラブ
- オリンピアフィールズ・カントリークラブ
- キアワアイランド・ゴルフリゾート
- ケラー・ゴルフコース
- ショールクリーク・ゴルフアンドカントリークラブ
- チェリーヒルズ・カントリークラブ
- バルタスロール・ゴルフクラブ
- ベレリーブ・カントリークラブ
- ヘーゼルティン・ナショナルゴルフクラブ
- メディナ・カントリークラブ
- リビエラ・カントリークラブ
【1回開催】
- NCRカントリークラブ
- PGAナショナル・ゴルフクラブ
- TPCハーディングパーク
- アロニミンク・ゴルフクラブ
- インウッド・カントリークラブ
- ウィングドフット・ゴルフクラブ
- エンジニアーズ・カントリークラブ
- オークツリー・ゴルフクラブ
- カンタベリー・ゴルフクラブ
- クウェイル・ホロー
- クルックドスティック・ゴルフクラブ
- ケンパーレイクス・ゴルフクラブ
- コロンバイン・カントリークラブ
- コロンバス・カントリークラブ
- コングレッショナル・カントリークラブ
- ザ・ショーニー・イン・アンド・ゴルフリゾート
- ザ・パーク・カントリークラブ
- サイオト・カントリークラブ
- サハリー・カントリークラブ
- シワノイ・カントリークラブ
- シーダークレスト・カントリークラブ
- シービュー・カントリークラブ
- ソールズベリー・ゴルフクラブ
- ダラス・アスレチッククラブ
- タングルウッド・パーク
- ツインヒルズ・ゴルフアンドカントリークラブ
- ノーウッドヒルズ・カントリークラブ
- パインハースト・リゾート
- ハーシー・カントリークラブ
- ハーミテージ・カントリークラブ
- バーミンガム・カントリークラブ
- ビッグスプリング・カントリークラブ
- ピッツバーグ・フィールドクラブ
- ヒルクレスト・カントリークラブ
- ピーカンバレー・ゴルフクラブ
- プラムホロウ・カントリークラブ
- ブルーヒル・カントリークラブ
- ブルーマウンド・ゴルフアンドカントリークラブ
- フレッシュメドウ・カントリークラブ
- フレンチリック・スプリングスリゾート
- フロスモア・カントリークラブ
- ベスページ・ブラックコース
- ペブルビーチ・ゴルフリンクス
- ペルハム・カントリークラブ
- ポモノック・カントリークラブ
- ボルチモア・カントリークラブ
- ポートランド・ゴルフクラブ
- マイアミバレー・ゴルフクラブ
- マニト・ゴルフアンドカントリークラブ
- ミネアポリス・ゴルフクラブ
- メドウブルック・カントリークラブ
- モレーン・カントリークラブ
- ラナーチ・カントリークラブ
- ローレルバレー・ゴルフクラブ
- ワナモイセット・カントリークラブ
今後の開催予定コースは以下のとおりとなっています。
- 108回(2026)アロニミンク・ゴルフクラブ
- 109回(2027)PGAフリスコ
- 110回(2028)オリンピッククラブ
- 111回(2029)バルタスロール・ゴルフクラブ
- 112回(2030)コングレッショナル・カントリークラブ
- 113回(2031)キアワアイランド・ゴルフリゾート
- 114回(2032)未決定
- 115回(2033)未決定
- 116回(2034)PGAフリスコ
ユニークな特徴
- アマチュア招待がない: 他のメジャートーナメントとは異なり、全米プロゴルフ選手権は伝統的にアマチュアを招待しない唯一のメジャートーナメントです(稀な例外を除く)。フィールドはプロゴルファーのみで構成されています。
- クラブプロに広い門戸: クラブプロを支援する目的もあるため、クラブプロが本大会でプレーできる機会が多くなるよう配慮されています。
- ロッドマン・ワナメーカー・トロフィー: 優勝者には、大会を象徴するトロフィーが授与されます。これは、PGA of Americaの設立に尽力したニューヨークのデパートオーナー、ロッドマン・ワナメーカーにちなんで名付けられています。
ホストコース
2025年大会はクウェイル・ホロー・クラブがホストコースとなります。全米プロゴルフ選手権で使用されるのは、2017年以来2回目となります。
設立者
クエイルホロークラブは、ノースカロライナ州シャーロットに位置し、1959年に設立されました。このクラブのビジョンは、地域のゴルフのプロファイルを向上させるために高品質なゴルフ施設を作りたいと考えた地元のビジネスリーダーのグループから生まれました。
設計者
クエイルホローのオリジナルコースは、1961年に伝説的なゴルフコース設計者ジョージ・コブによって設計されました。コブはアメリカ南東部での仕事で知られており、クエイルホローは彼の最も注目すべき作品の一つです。
歴史(コースの改修を含む)
- 1961年:ジョージ・コブの設計に基づいてコースが完成しました。
- 1986年:伝説的なプレイヤーであり、著名なゴルフコース設計者でもあるアーノルド・パーマーがレイアウトに大幅な変更を加え、プロ選手にとってより戦略的なチャレンジを追加しました。
- 1997年:高く評価されているゴルフ設計者トム・ファジオがコースのさらなる近代化のために招かれました。彼の改修には、いくつかのホールの延長やグリーンとバンカーの再設計が含まれ、コースをより挑戦的なものにしました。
- 2016年:2017年の全米プロゴルフ選手権に向けて、クエイルホローはさらに改修され、トム・ファジオによるオープニングホールの再設計や美観とプレイアビリティの向上が行われました。
特徴
クエイルホローは、その美しさと難易度の組み合わせで知られています。
コースは自然の森林を通り抜け、戦略的に配置されたバンカー、小川、湖を含むチャレンジングなレイアウトを提供します。
コースの象徴ともなっているクロージング・ストレッチ「グリーンマイル」(16番~18番ホール)は、特にPGAツアー・トーナメントでも「最も難しい上がり3ホールを持つコースの一つ」とされています。
ハイライト
- 2017年の全米プロゴルフ選手権のホストコースとなり、クエイル・ホローで初のメジャーチャンピオンシップの開催となりました。
- 毎年恒例のPGAツアーイベントであるウェルズファーゴ・チャンピオンシップの定期開催地となっていました。
- 2022年のプレジデンツカップの開催地として使用されました。
芝の種類
- フェアウェイ: バミューダグラス
- グリーン: チャンピオン・ウルトラ・ドワーフバミューダ(2014年に近代化の一環として設置)
- ラフ: バミューダグラス(冷涼な月にはライグラスでオーバーシードされることがあります。トーナメントスケジュールによります)
歴代の優勝者・優勝賞金
2020年からの歴代の優勝者と優勝賞金は以下の表のとおりとなっています。
年 | 選手名 | 優勝賞金 |
---|---|---|
2024 | ザンダー・シャウフェレ | $3,330,000 |
2023 | ブルックス・ケプカ | $3,150,000 |
2022 | ジャスティン・トーマス | $2,700,000 |
2021 | フィル・ミケルソン | $2,160,000 |
2020 | コリン・モリカワ | $1,980,000 |
2019 | ブルックス・ケプカ | $1,980,000 |
2018 | ブルックス・ケプカ | $1,980,000 |
2017 | ジャスティン・トーマス | $1,890,000 |
2016 | ジミー・ウォーカー | $1,800,000 |
2015 | ジェイソン・デイ | $1,800,000 |
2014 | ローリー・マキロイ | $1,800,000 |
2013 | ジェイソン・ダフナー | $1,445,000 |
2012 | ローリー・マキロイ | $1,445,000 |
2011 | キーガン・ブラッドリー | $1,445,000 |
2010 | マーティン・カイマー | $1,350,000 |
2009 | ヤン・ヨンウン | $1,350,000 |
2008 | パドレイグ・ハリントン | $1,350,000 |
2007 | タイガー・ウッズ | $1,260,000 |
2006 | タイガー・ウッズ | $1,224,000 |
2005 | フィル・ミケルソン | $1,170,000 |
2004 | ビジェイ・シン | $1,125,000 |
2003 | ショーン・ミキール | $1,080,000 |
2002 | リッチ・ビーム | $990,000 |
2001 | デビッド・トムズ | $936,000 |
2025年大会の賞金配分・ポイント配分
2025年の賞金配分については情報が確認でき次第、更新する予定です。
情報を差し替えるまでは参考として2024年の賞金配分とポイント配分を以下に記載しています。
R | Prize | Pts | R | Prize | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | $3,330,000 | 750 | 16 | $317,080 | 120 |
2 | $1,998,000 | 400 | 17 | $292,420 | 115 |
3 | $1,258,000 | 350 | 18 | $269,520 | 110 |
4 | $888,000 | 325 | 19 | $248,380 | 105 |
5 | $740,000 | 300 | 20 | $229,000 | 100 |
6 | $660,580 | 275 | 21 | $211,390 | 95 |
7 | $618,300 | 250 | 22 | $195,530 | 90 |
8 | $577,790 | 225 | 23 | $181,440 | 85 |
9 | $539,030 | 200 | 24 | $169,990 | 80 |
10 | $502,040 | 175 | 25 | $158,980 | 75 |
11 | $466,810 | 165 | 26 | $148,410 | 70 |
12 | $433,340 | 155 | 27 | $138,280 | 65 |
13 | $401,630 | 145 | 28 | $128,590 | 60 |
14 | $371,690 | 135 | 29 | $119,340 | 55 |
15 | $343,500 | 125 | 30 | $110,540 | 50 |
出場資格の一覧
メジャートーナメントのため、PGAツアーの出場資格だけではエントリーすることができません。
ツアーのプライオリティリストとは異なる独自の基準と優先順位に従い出場権が与えられます。
全米プロゴルフ選手権の出場資格は以下のとおりとなっています。
- 全米プロゴルフ選手権の歴代優勝者
- 直近5年間のマスターズ・トーナメントの優勝者
- 直近5年間の全米オープンの優勝者
- 直近5年間の全英オープンの優勝者
- 直近3年間のザ・プレーヤーズチャンピオンシップの優勝者
- 開催2週前時点のオフィシャルワールドゴルフランキングのインターナショナル・フェデレーション・ランキングリストのトップ3
- 現在の全米シニアプロゴルフ選手権の優勝者
- 前年の全米プロゴルフ選手権で15位タイ以内に入った選手
- 今年のPGAプロフェッショナルチャンピオンシップの上位20名の選手
- 前年のCJカップ・バイロン・ネルソンから今年の同大会までの期間の「PGAチャンピオンシップポイント」リストの上位70名の選手
- 前回のライダーカップのプレーイング・メンバーで、大会の開催1週前の時点で世界ゴルフランキングのトップ100にランクインしている選手
- 昨年の全米プロゴルフ選手権から本大会の開始までの間に、PGAツアーの公式戦で優勝した選手
- DPワールドツアー・アジアスイングのランキングで上位3位の選手
- PGA・オブ・アメリカによる招待選手
- オルタネイト (必要に応じて)
出場予定選手
以下は出場資格を有している選手の一覧です。出場のコミットメントをしているわけではないことにご注意ください。
- 松山 英樹
- アレックス・ノレン
- アーロン・ライ
- ウィンダム・クラーク
- キャメロン・スミス
- キャメロン・デイヴィス
- コリン・モリカワ
- サヒス・ティーガラ
- ザンダー・シャウフェレ
- ジェイソン・ダフナー
- ジェイソン・デイ
- シェーン・ローリー
- ジミー・ウォーカー
- ジャスティン・トーマス
- ジャスティン・ローズ
- ジョナサン・ベガス
- ジョン・ラーム
- ショーン・ミキール
- スコッティ・シェフラー
- タイガー・ウッズ
- デイヴィス・トンプソン
- デイヴィス・ライリー
- テイラー・ムーア
- ディーン・バーメスター
- デビッド・トムズ
- トーマス・デトリ
- パットン・キザイア
- パドレイグ・ハリントン
- ビクトル・ホブラン
- ビジェイ・シン
- ビリー・ホーシェル
- フィル・ミケルソン
- ブライアン・ハーマン
- ブライソン・デシャンボー
- ブルックス・ケプカ
- マット・フィッツパトリック
- マルティン・カイマー
- リッチ・ビーム
- リー・ホッジス
- ローリー・マキロイ
- Y.E.ヤン
テレビ放送・ネット配信
2025年のテレビ放送、ネット配信の情報は確認ができ次第、更新する予定です。
2024年の全米プロゴルフ選手権はBS松竹東急、ゴルフネットワーク、DAZNで生中継されました。
2025年の情報が発表されるまでは、参考として2024年の情報を記載します。最新情報が確認でき次第、差し替えます。
- 第1ラウンド:2024年5月17日(金)4:00~8:00
- 第2ラウンド:2024年5月18日(土)4:00~8:00
- 第3ラウンド:2024年5月19日(日)4:00~8:00
- 第4ラウンド:2024年5月20日(月)4:00~7:30(最大延長10:00)
- 第1ラウンド:2024年5月17日(金)2:00~9:00
- 第2ラウンド:2024年5月18日(土)2:00~9:00
- 第3ラウンド:2024年5月19日(日)2:00~9:00
- 第4ラウンド:2024年5月20日(月)2:00~11:00
- 第1ラウンド:2024年5月17日(金)2:00~
- 第2ラウンド:2024年5月18日(土)2:00~
- 第3ラウンド:2024年5月19日(日)2:00~
- 第4ラウンド:2024年5月20日(月)2:00~
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