89回目の開催となるマスターズ・トーナメント2025はジョージア州オーガスタにあるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで4月7日から13日に開催されます。
マスターズ・トーナメントとは?
マスターズ・トーナメントは、男子ゴルフの4大メジャー大会の一つであり、毎年同じコースで開催される唯一の大会です。
マスターズは1934年に初めて開催され、伝説的なアマチュアゴルファーであるボビー・ジョーンズと投資銀行家のクリフォード・ロバーツによって設立されました。
トーナメントは、限られた会員によって構成されたプライベートクラブであるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブによって組織・運営されています。
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、その秘密主義と限定性で知られており、マスターズの神秘性を高めています。
マスターズは、木曜日から日曜日までの4日間にわたって行われる72ホールのストロークプレー形式のトーナメントです。
フルフィールドの人数は他のメジャー大会に比べて少なく、過去のチャンピオン、他のメジャー大会での上位成績、世界ゴルフランキングの高順位など、特定の基準に基づいて招待される形式となっています。
カットは最初の2ラウンド(36ホール)後に行われ、残りの2ラウンドに進む選手が絞られます。
カットのルールは、上位50位以内の選手(タイを含む)が週末のラウンドに進むというものです。
以前は、「首位の選手から10ストローク以内の選手」も含まれていましたが、2020年にこのルールは簡素化のために削除されました。
歴史
ボビー・ジョーンズとクリフォード・ロバーツは1931年に、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの土地を購入し、イギリスのゴルフコース設計者であるアリスター・マッケンジー博士の助けを借りてコースを設計しました。
マッケンジーの哲学は、美しさと挑戦を兼ね備えたコースを作り、戦略的なプレーを奨励することでした。
最初のマスターズ・トーナメントは「オーガスタ・ナショナル招待トーナメント」として1934年に開催され、それ以来、クラブとトーナメントは切り離せない関係となっています。
オーガスタ・ナショナルのコースは、ゴルフ技術の進歩に対応し、世界最高のプレーヤーにとっての挑戦を維持するために、長年にわたって数多くの変更が加えられています。
また、マスターズでは以下のような伝統を持っています。
- グリーンジャケット: 優勝者に授与されるもので、マスターズ・チャンピオンとしての限定されたクラブ会員資格を象徴します。優勝者は1年後にジャケットをクラブに返却し、クラブ内でのみ着用されます。
- チャンピオンズディナー: トーナメント開催週の火曜日に開催され、前年の優勝者が主催し、過去のチャンピオンが参加します。
- パー3コンテスト: トーナメント週の水曜日に行われるこのイベントは、選手、その家族、セレブリティなどが参加します。
- 名誉スターター: ゴルフの伝説的な選手が招かれ、トーナメントの開始を告げるセレモニアルな最初のティーショットを打ちます。
ホストコース(オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ)
クラブは1933年にオープンし、1934年に初めて開催されたマスターズ・トーナメントと同義語となりました。
オーガスタ・ナショナルの会員資格は招待制であり、世界で最も影響力のある裕福な個人が含まれています。
オーガスタ・ナショナルは、主に2つの種類の芝を使用しています。
- フェアウェイとラフ: これらは冷涼な期間はライグラスでオーバーシードされ、4月に開催されるマスターズ・トーナメント中に青々とした緑の外観を作り出しています。夏には、ベースのバミューダグラスが支配的になります。
- グリーン: グリーンはベントグラスが植えられており、速く滑らかなパッティング面を提供します。オーガスタ・ナショナルのグリーンはその速さと起伏のある性質で知られており、世界で最も難しいグリーンの一つとされています。
このコースはパー72で、7550ヤード以上の長さがあります。距離の長いパー4、2オンが可能なパー5、そして挑戦的なパー3が組み合わされているのが特徴です。
注目すべきホールには以下が含まれます。
- 4番ホール(フラワリング・クラブ・アップル): 正確さが求められる240ヤードのパー3。
- 11番ホール(ホワイト・ドッグウッド): 11番から13番までのアーメンコーナーの始まりで、水がグリーンを守る505ヤードのパー4。
- 12番ホール(ゴールデン・ベル): 短いが危険な155ヤードのパー3で、風とグリーン手前のクリークがクラブ選択を難しくします。
- 13番ホール(アザレア): クリークを越える「リスクとリワード」のあるセカンドショットが注目ポイントの510ヤードのパー5。
- 16番ホール(レッドバッド): 水を越える美しい170ヤードのパー3で、ドラマチックな日曜日の瞬間で知られています。
- 18番ホール(ホリー): 有名なクラブハウスに続く狭いフェアウェイを持つ465ヤードのパー4。
コースの基本的なレイアウト、セッティングは以下の表のとおりとなっています。
Hole | Name | Yards | Par |
---|---|---|---|
1 | ティー・オリーブ(Tea Olive) | 445 | 4 |
2 | ピンク・ドッグウッド(Pink Dogwood) | 585 | 5 |
3 | フラワリング・ピーチ(Flowering Peach) | 350 | 4 |
4 | フラワリング・クラブ・アップル(Flowering Crab Apple) | 240 | 3 |
5 | マグノリア(Magnolia) | 495 | 4 |
6 | ジュニパー(Juniper) | 180 | 3 |
7 | パンパス(Pampas) | 450 | 4 |
8 | イエロー・ジャスミン(Yellow Jasmine) | 570 | 5 |
9 | カロライナ・チェリー(Carolina Cherry) | 460 | 4 |
OUT | 3775 | 36 | |
10 | カメリア(Camellia) | 495 | 4 |
11 | ホワイト・ドッグウッド(White Dogwood) | 520 | 4 |
12 | ゴールデン・ベル(Golden Bell) | 155 | 3 |
13 | アザレア(Azalea) | 545 | 5 |
14 | チャイニーズ・ファー(Chinese Fir) | 440 | 4 |
15 | ファイヤーソーン(Firethorn) | 550 | 5 |
16 | レッドバッド(Redbud) | 170 | 3 |
17 | ナンディナ(Nandina) | 440 | 4 |
18 | ホリー(Holly) | 465 | 4 |
IN | 3780 | 36 | |
合計 | 7555 | 72 |
歴代の優勝者・優勝賞金
タイガー・ウッズが初優勝した1997年からの歴代の優勝者と優勝賞金は以下の表のとおりとなっています。
年 | 優勝者 | 優勝賞金 |
---|---|---|
2024 | スコッティ・シェフラー | $3,600,000 |
2023 | ジョン・ラーム | $3,240,000 |
2022 | スコッティ・シェフラー | $2,700,000 |
2021 | 松山英樹 | $2,070,000 |
2020 | ダスティン・ジョンソン | $2,070,000 |
2019 | タイガー・ウッズ | $2,070,000 |
2018 | パトリック・リード | $1,980,000 |
2017 | セルヒオ・ガルシア | $1,980,000 |
2016 | ダニー・ウィレット | $1,800,000 |
2015 | ジョーダン・スピース | $1,800,000 |
2014 | バッバ・ワトソン | $1,620,000 |
2013 | アダム・スコット | $1,440,000 |
2012 | バッバ・ワトソン | $1,440,000 |
2011 | シャール・シュワーツェル | $1,440,000 |
2010 | フィル・ミケルソン | $1,350,000 |
2009 | アンヘル・カブレラ | $1,350,000 |
2008 | トレバー・イメルマン | $1,350,000 |
2007 | ザック・ジョンソン | $1,305,000 |
2006 | フィル・ミケルソン | $1,260,000 |
2005 | タイガー・ウッズ | $1,260,000 |
2004 | フィル・ミケルソン | $1,117,000 |
2003 | マイク・ウィア | $1,080,000 |
2002 | タイガー・ウッズ | $1,008,000 |
2001 | タイガー・ウッズ | $1,008,000 |
2000 | ビジェイ・シン | $828,000 |
1999 | ホセ・マリア・オラサバル | $720,000 |
1998 | マーク・オメーラ | $576,000 |
1997 | タイガー・ウッズ | $486,000 |
2025年大会の賞金配分・ポイント配分
2025年大会の賞金配分については情報が確認でき次第、更新する予定です。
それまで以下に参考として2024年の配分を記載し、2025年の情報が確認でき次第、差し替える予定です。
R | Prize | Pts | R | Prize | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | $3,600,000 | 750 | 16 | $340,000 | 120 |
2 | $2,160,000 | 400 | 17 | $320,000 | 115 |
3 | $1,360,000 | 350 | 18 | $300,000 | 110 |
4 | $960,000 | 325 | 19 | $280,000 | 105 |
5 | $800,000 | 300 | 20 | $260,000 | 100 |
6 | $720,000 | 275 | 21 | $240,000 | 95 |
7 | $670,000 | 250 | 22 | $224,000 | 90 |
8 | $620,000 | 225 | 23 | $208,000 | 85 |
9 | $580,000 | 200 | 24 | $192,000 | 80 |
10 | $540,000 | 175 | 25 | $176,000 | 75 |
11 | $500,000 | 165 | 26 | $160,000 | 70 |
12 | $460,000 | 155 | 27 | $154,000 | 65 |
13 | $420,000 | 145 | 28 | $148,000 | 60 |
14 | $380,000 | 135 | 29 | $142,000 | 55 |
15 | $360,000 | 125 | 30 | $136,000 | 50 |
出場資格の一覧
メジャートーナメントのため、PGAツアーの出場資格だけではエントリーすることができません。
ツアーのプライオリティリストとは異なる独自の基準と優先順位に従い出場権が与えられます。
マスターズ・トーナメントの出場資格は以下のとおりとなっています。
- マスターズの歴代覇者(生涯)
- 全米オープンゴルフ優勝者(直近5年間)
- 全英オープンゴルフ優勝者(直近5年間)
- 全米プロゴルフ選手権優勝者(直近5年間)
- ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ優勝者(直近3年間)
- 現在のオリンピック金メダリスト(1年間のみ)
- 現在の全米アマチュアの優勝者および準優勝者(1年間のみ)
- 現在の全英アマチュアの優勝者(1年間)
- 現在のアジアパシフィックアマチュアの優勝者(1年間)
- 現在のラテンアメリカアマチュアの優勝者(1年間)
- 現在の全米ミッドアマチュアの優勝者(1年間)
- 現在のNCAAディビジョンI 「男子個人」の優勝者(1年間)
- 直近のマスターズで12位タイ以上の選手
- 直近の全米オープンで4位タイ以上の選手
- 直近の全英オープンで4位タイ以上の選手
- 直近の全米プロゴルフ選手権で4位タイ以上の選手
- 前回のマスターズから今回のマスターズまでの間に、フルポイント(500ポイント以上)配分を受けるPGAツアー公式戦の個人優勝者
- ツアーチャンピオンシップに進出した選手(FedexCupのトップ30)
- 前年末の最終世界ランキングでトップ50
- 開催前週において世界ランキングトップ50
- 特別招待
出場予定選手
2025年大会にエントリーした選手の情報は確認でき次第、更新ししていきます。
なお、以下はコミットメントはしていませんが、出場資格を有する選手の一覧です。
- 松山 英樹
- アクシャイ・バティア
- アダム・シェンク
- アダム・スコット
- アン・ビョンフン
- アーロン・ライ
- イム・ソンジェ
- ウィル・ザラトリス
- ウィンダム・クラーク
- キャメロン・スミス
- キャメロン・デイヴィス
- キャメロン・ヤング
- キーガン・ブラッドリー
- クリス・カーク
- クリス・ゴッテループ
- クリスチャン・ベザイデンハウト
- コリン・モリカワ
- ザック・ジョンソン
- サヒス・ティーガラ
- サム・バーンズ
- ザンダー・シャウフレ
- シェイン・ローリー
- ジェレミー・ウェルズ
- ジャスティン・トーマス
- ジャスティン・ローズ
- ジョナサン・ベガス
- ジョン・ラーム
- ジョーダン・スピース
- スコッティ・シェフラー
- スリストン・ローレンス
- ゼップ・シュトラカ
- セルヒオ・ガルシア
- タイガー・ウッズ
- ダスティン・ジョンソン
- ダニー・ウィレット
- チャール・シュワルツェル
- デイヴィス・トンプソン
- テイラー・ペンドリッシュ
- ティレル・ハットン
- デービス・ライリー
- トニー・フィナウ
- トミー・フリートウッド
- トム・ホゲ
- トーマス・デトリ
- ノア・ケント
- パットン・キザイア
- パトリック・カントレー
- パトリック・リード
- ババ・ワトソン
- ビクトル・ホブラン
- ビジェイ・シン
- ビリー・ホーシェル
- ヒロシ・タイ
- フィル・ミケルソン
- ブライアン・ハーマン
- ブライソン・デシャンボー
- ブルックス・ケプカ
- フレッド・カプルス
- ホセ・マリア・オラサバル
- ホセ・ルイス・バリェステ
- マイク・ウィアー
- マシュー・フィッツパトリック
- マチュー・パボン
- マックス・ホーマ
- ヤコブ・スコウ・オルセン
- ラッセル・ヘンリー
- ルズヴィ・アベリ
- ロバート・マッキンタイア
- ローリー・マキロイ
- ワイアット・ワーシントン2世
テレビ放送・ネット配信
マスターズ・トーナメントのテレビ放送・ネット配信に関する情報です。
テレビ放送(地上波・BS)
2025年の情報は確認でき次第、更新する予定です。
2024年は地上波のTBS系列と衛星放送のBS-TBSによるリレー中継が行われました。参考として2024年時の放送日時を掲載しますが、2025年の情報が確認できた場合は差し替えます。
<第1ラウンド>
- 4月11日(木) 23:56-24:25(地上波・TBS系列)
- 4月11日(木) 24:25-28:00(BS-TBS)
- 4月12日(金) 4:00-8:20(地上波・TBS系列)
<第2ラウンド>
- 4月12日(金) 24:48-25:48(地上波・TBS系列)
- 4月12日(金) 25:48-28:00(BS-TBS)
- 4月13日(土) 4:00-8:00(地上波・TBS系列)
<第3ラウンド>
- 4月13日(土) 24:15-1:15(地上波・TBS系列)
- 4月14日(土) 25:15-28:30(BS-TBS)
- 4月14日(日) 4:30-8:30(地上波・TBS系列)
<第4ラウンド>
- 4月14日(日) 24:25-翌朝8:20 *延長あり(地上波・TBS系列)
ネット配信
2025年の情報は確認でき次第、更新する予定です。
以下に参考として2024年の情報を掲載します。
2024年はU-NEXTが以下の5つのチャンネルでライブ配信をしました。
- (CH1)日本語実況付きメイン中継:テレビ放送と同内容
- (CH2)ドライビングレンジ(練習場)
- (CH3)注目グループ(フィーチャードグループ)
- (CH4)アーメンコーナー(11-13番ホール)
- (CH5)15番・16番ホール
その際のライブ配信の日時は以下のとおりとなっていました。
- パー3コンテスト:4月11日(木)4:00-6:00
- 第1ラウンド:4月11日(木)21:30-翌朝8:30
- 第2ラウンド:4月12日(金)21:30-翌朝8:30
- 第3ラウンド:4月13日(土)23:15-翌朝8:00
- 最終ラウンド:4月14日(日)23:15-翌朝8:00